The Silk Roads

2021年に入り新しいカテゴリーを作りました。 ずばり 本。読書は学生時代から続く私の長い趣味ですが、ここ数年家族など個人的な理由、制限であまり活発に読書ができていなかったのですが、昨年2020年はCOVID19のお陰で?、毎年年始にする決意の一つ、”年30冊は本を読む”が久しぶりに達成できたとこんなくらい年でしたがそれにめげず、良いこともあったと思っています。

さてこの本は以前のBLOGで何度か取り上げたことがあります。

著者の新しい作品が今年になり発売されたので、今年最初の新しい本はカバーの書ではなくこちらのオレンジ色の書になります。

21世紀はアジアの時代だと書きました。19世紀にヨーロッパで産業革命がおこるまで、本の一時期南米で黄金が見つかるまで、富はアジアにあったのです。その富を求めてシルクロードができた。著者はそうした歴史に留まらず、ヨーロッパがいかに破壊的に富を強奪したか、帝国(ローマなど)がどのように崩壊していったかにはじまり戦後の冷戦時代の米ソの対立がもたらした結果やアラブの黒い黄金(石油)に至るまで政治、経済、宗教、戦争、それらを縦横無尽に織り込んで、しかも学者の著ですからそれを裏付ける膨大な資料(すべての資料は出どころの記述があるので調べることができます)を元に書かれておりこれまでのシルクロード物の書とはずいぶん異なります。読むとヨーロッパの歴史をアジアの目から垣間見ることもできます。著者はイギリスの大学教授なのですがヨーロッパにひいき建てしたようにはなっておらず、いかに宗教(キリスト教、イスラム問わず)が富を求めて虐殺、強奪を繰り返してきたかも隠さず書かれています。人間は富を目の前にすると目がくらむのですね。もちろん歴史書は書く人の目で書きますから資料を参考にするとは言え、その資料をどのように解釈するかにもよりますので、前にも書きましたが同じような歴史を複数の違った観点から考察する必要はあるのですがこの書はこれまでのシルクロードの書とずいぶんことなり新鮮でした。

ということもありベストセラーです。

だた今日現在AMAZONで調べるとまだ日本語訳はでていないようです。

著者の新しい書はこちら。 今年の発行です。

21世紀はアジアの時代。19世紀は産業革命を起こしたヨーロッパ、20世紀は2度の世界大戦で疲弊しなかったアメリカの時代。そして21世紀は、アジア。

アジアは世界の巨大市場なのです。ヨーロッパもアメリカ大陸も市場規模ではかないません。これらアジア世界は今テクノロジーに力を入れいわゆる低工業から高度な工業(情報産業など)で大きな影響力を持ってきています。

つまり産業が興り、その産業を消費する巨大な市場を同時に持っている。

そんなアジアなのですが、日本はそんなアジアの外にいるように思います。この書にマップがでてくるのですが、日本の姿はない。歴史的にはシルクロードの最終地は鎖国をするまでは日本だったんですね。マルコポーロの書にも日本が出てくるように。鎖国後も日本は細々と中国、オランダとは繋がっていたのですが、戦後大きくアメリカに舵を切った。それは正解だったのですが経済圏を考えるとこれからはアジアにもきちっとした軸足を置く必要があります。とくにアジアの経済大国の一環を占めようとするなら。政治的にも経済的にも人的交流的にも。

島国ですがインドネシア、フィリピンだって島国。でも人の交流はあるのです。

 

30年ほども前に書かれた書、The Wealth And Poverty Of Nationsというのがあります。 歴史、民族、政治的な背景などを元にどうしてある国、地域が富んである地域が貧困なのかを考察した書です。日本の世界大戦後のいわゆるジャパン ミラクルについても章があります。書かれた年代が中国の経済大発展が始まりを告げる頃なのでそれ以後のことについては書かれていませんが

アジアが本当に豊かになるには、民族間、国家間の争い、不審をいかに克服するかが一つの鍵。いわゆる以前のソ連邦の国々、分裂後民族単に国家が出来ましたが近隣国はやはり争い、不審というのがあります。それを上手く克服していけるかどうか。

これらの書、そういったことに対する解は与えていません。解は民間から始まるだどうとは想像できます。政治ではなく。政治家は自分の権力保身のためなら国家を顧みることがないのは歴史が証明しています。

こうした本を読みながらまだまだ現役で働こうとしている私は、では、自分は何ができるかと考えています。

日本が無い。。。