複利
複利、これまで何度か話題にしました。主に資産に関する話題で取り上げましたが人生も複利そのものかもしれない。
複利の基本は長く持つこと、言い方を変えるなら早く始めること。利率5%として10年、20年、30年で計算すると1.63、2.65、そして4.32倍になるわけです。100万円を30年持てば432万になります。200万円を10年持っても326万円ですから元手は少なくとも長くもっておけば増える。。。 ただし、利率がゼロ以上でなければなりません。利率を無視して話をしても仕方ないのですがファイナスのアドバイザーは利率を強調せずに複利の良い面だけを取り上げますね。仮に1%の利率だとすると10年、20年、30年で1.1、1.22、1.35倍に過ぎないのです。これを人生に当てはめるなら、利率が悪いことを何年やってもあまり役には立たないとも読めます。もちろんあるときブレークスルーがあっていわゆるうなぎのぼりの利率(例えば年率100%など)ないわけではないのですが、その確率は高くはない。宝くじほどではないでしょうけれど利率のほとんどない預金を30年もっても30年後全く増えていないような人生にはしたくないですね。
ここまでは利率が一定だという条件(平均)ですが平均はそれで曲者なのです。29年、ずっと増えてきたけれど30年目に不況でいきなり価値が半分になったとします。先ほどの例で例えるなら29年間5%だと412万円程度になるはずが30年目の不況で50%ダウンすると206万円。いったん半分になったものが412万に再び戻るのは仮にその後、年率10%だとしても7年以上かかるのです。つまりリスク回避も図らなくてはいけない。これを人生に例えるなら、順調に行っている期間こそ、リスク回避のためにも時間を使うということですね。順調に行っている間、忙しい、楽しいなどで油断をしてしまいがちですね。順調に行っている間こそ
ー資産を増やす(稼いだものを全部使ってはダメ)
ー世の中の情勢をよく検討する (歴史から学べます)
を怠らないことです。順調に行っている間、人間こういったことをおろそかにしがちなのです。忙しいし、楽しいし、余裕があるし、、、
バイブルのような本があります。英語でしか知りませんがhttps://www.amazon.com/Richest-Man-Babylon-George-Clason/dp/1505339111
The Richest Man In Babylonという書です。一度は手にして読んでみると良いと思います。
人生はしかしながら投資の世界よりもっと曲者。春と冬が交互にやってくる。何度か書いていますが私はずっとハードウエア(半導体関連)に従事しています。シリコンバレー、その名の通りIntelなどいわゆるシリコン産業が開いたような地域ですがGoogleに代表されるようにSoftware関連の会社が今ではすっかり大きな会社となっています。Appleは倒産寸前だった。ソフトウエアの雄、マイクロソフトに資金援助も受けたはずです。
AIが隆盛になり再びシリコンに今資金(ベンチャー資金や巨大企業の投資)が盛んです。AIがあたかもシリコンに再び力を与えたがように。お陰でもう還暦もすぐに近づいた私にも面白くかつお金にもなる仕事が再びやってきた。長い停滞の時期を経て再び勢いを増したがごとく。もっともAIが騒がれ始めたころから進んでAI関連の顧客を訪問しました。こちらも良くわかっていないですから”学ぶため”でもあったのです。勉強もしましたが実エンジニアと話すと一番良くわかります。以前も書きましたがそのような場合中国の顧客が圧倒的になんでも話してくれるので勉強になります。何も話さないのは日本の企業です。これでは双方、シナジーどころではない。事実AIでも日本は周回以上遅れているように見えます。忙しいときこそ学ぶのです。
そうそう、もう一つ重要なことが。。。 それは途中で辞めてしまわないこと。よくあるのが がんばって預金(投資)を5年してきた。その間、ずいぶんと我慢もした(仕事ばかりして出費を抑えたとかね)。5年たってみると、”あれ、ずいぶん貯まったな。” がんばったんだし、ちょっと自分へのご褒美。。。”自分へのご褒美”というのはマーケティングの手法です。そのちょっとが、蓄えもあるんだし、と気持ちが大きくなることが多いのです。でも、5年程度の蓄え(経験、勉強)実はまだある境界線を突破できていないことが多い。もちろん5年で突破する人もいますが少数でしょう。突破するまでは気を抜かないことです。こちらのファイナンスアドバイザーと話をすると持っている金融資産の4%で生活できるようになったらフルタイムの仕事はしなくても良いと言います。例えば自分が望む生活には年500万円必要だとするなら25倍ですから1億2500万円ということです。年金のもらえる年齢で年金が200万円カバーするなら300万ですから7500万円でよいことになります。そんなあ、65歳まで我慢するの?となりますが30歳で4%になればそれで良いので年齢は関係ないのです。しかし到達する前に辞めてしまうとあっという間になくなります。お金でずっと書いていますが経験、勉強も同じです。経験も積んだし、そろそろ趣味などにももっと時間を使って人生を楽しみたいと思いますね。いや、昭和世代な私の場合、中学、高校、いやあ場合によっては小学校4年生くらいから”良い大学”に入るために塾だ、予備校だでずっと勉強してきた学生も多い。晴れて大学に入るとピタッと勉強を辞めてしまう、留年する学生もとても多かった。私の経験ではそこで辞めてしまったのでは途中解約と同じだと思います。あと4年、いや今の世の中、あと6年から9年ほど(博士課程)までそのままの勢いで勉強を続けるのが良いです。大学を何とか単位だけ修めて卒業ではその間の利率はゼロのままで終わることになりますよ。
特にエンジニアリングであれば博士課程まで突破するととても大きな可能性が開けてくるはずです。それが”境界線”だろうと思います。お金でいうなら先ほどの1億2500万ということでしょうか。博士まで進むと実社会での経験、蓄えを始めるのが遅れてしまいます。そこをカバーする必要はあるかもしれません。日本でのことは知りませんがこちらでは博士課程の学生は教授に雇われていることも多いです。教授の仕事は研究することではなく研究チームを作ることだとかつて聞いたことがあります。企業などから研究予算を取ってきて優秀な学生を自分の研究チームに雇い入れるのですね。私が長く働いたベンチャー企業には博士課程に在籍したまま週二日出社していたコンパイラエンジニアが居ました。今はGoogleで働いていますがとても優秀です。彼のアドバイザー(教授)が会社のアドバイザーだったのですが優秀な学生をプロジェクトチームに参加させていたのです。確かにとても優秀で私はコンパイラについてずいぶん彼から学びました。
勉強、経験と言っても、楽しいのです。楽しく勉強できるようにすれば良いのです。