日本の雑誌
日本の良いもの上げなさいと言われたら私は
食事、100円ショップなどの小物、品質の良い格安な高級品(例えば時計、セイコーの時計、品質はスイス製以上で値段は格安)、ケーキ、等々際限なく上げることができますが私はそのリストに
入門書 と
雑誌
を加えたい。
日本は入門書天国です。書店に行ってみると同じようなタイトルの入門書が沢山あります。ちょっとテレビなどで評判になるとあっという間に入門書が店頭に並びますね。入門書は書きやすいのです。私は仕事柄以前トレーニングのための書籍(といっても一般には販売しません)を書いたことがありますがトレーニングって入門ですね。決められた時間内で書き終えることができました。ただ入門書を読んで(勉強)わかった気持ちになるのは実は危ない考えです。入門書を勉強してもそれはあくまでも入り口に立ったという程度ですから。その次に進まなくてはいけないのですが、私の見たところその次にあたる書物は日本とても少ないと思います。その次って、教科書(テキストブック)です。アメリカやヨーロッパの教科書を手にされた経験もあるかもしれないですね。日本の教科書と何がことなるでしょう? まずページ数。アメリカの教科書は300~600ページは普通です。振り返り日本は教科書は得てして薄い。記載できる情報はページ数と相関関係があります。 昔聞いた話ですが日本の教科書はあくまでも授業の補足のため。アメリカの教科書は自習のため。考え方の違いかもしれませんが社会人にもなって時間に限りがある場合学校に戻るというのは難しいでしょう。それに夜間のコースは残念ながら日本はアメリカと比較すると非常に手薄(今はオンラインがありますが、対面のコースはそれでも重要)。教科書を補足する形で参考書というのがありますね。専門分野になると参考書とはいわず専門書とよく言いますがこれもやはり日本の書籍は少なくとも私が属する分野では特に見劣りします。というわけではないですが、外国の、特にアメリカの大学教授たちの執筆した書籍を頼りとすることが多々出てきます。それについて。日本語版をある関係で何度か読ませていただいたことがあります。英語のオリジナルは手元にあったのですが、日本語版を読んでもさっぱり理解できない場合が多々ありました。30年もこちらにいるから日本語能力が落ちたんだろう~と思われるかもしれませんが(私も最初そう思った)、そうではなく、どうも限りなく英文の構成に合わせて翻訳されているからだと分かったのです。日本語を読んでいるときはもちろん頭は日本語で考えるのですがそうすると全然その日本語が理解できなくなるのです。英文の同じ個所に戻って読んでみると理解できる。今は翻訳に自動翻訳を取り入れられ人間の翻訳者と自動翻訳の共同作業になっていると聞いたことがありますがその影響でしょうか?とにかくわかりずらい翻訳本が多いなという印象を持ちました。よい教科書をいずれ書きたいなと言ったことがあるのですが、”辞めておけ”という。。。 理由はあんなに大変なことはない、大変なのに見返りが少ないのだとか。。。
さて、ようやくタイトルの雑誌。 日本の雑誌ほど読んでいて楽しい雑誌はありません!日本はマニアックなくらいに写真や解説のための図解図などを駆使されてとても楽しい雑誌を出版しています。写真はどれもこれも本当に美しい。これだけオンラインで情報が取れる世の中ですが日本のざっしに勝るようなオンラインのページを見かけることはあまりありません。私は時計関連の雑誌をアマゾンジャパンを通して時折購入しますが注文した雑誌が届くと嬉しくてしかたないです。
雑誌の収入源は広告なので雑誌の記事は広告主の商品、サービスを決して批判しません(多少はするのですがそれでも最後はポジティブな終わり方をする)。ですから雑誌を読んだだけでは一方的になるので何か購入を考える場合オンラインのフォーラムなど別媒体も参考にするべきだと思いますが写真、商品の詳細そのたについては雑誌がいつも一歩抜き出ていると思います。
ですから日本の雑誌はじつのところ海外でも購読されているのですよ。写真と図解図を’見ているだけで楽しいからです。こと趣味の雑誌にもなると(私が読んでいる時計関連の雑誌とか)豊富な写真、しかも日本の編集者はマニアックに取材をするので製造現場、時計内部など他の雑誌ではあまりみることのできない写真も非常に豊富で日本語を読めなくても十分に楽しめるのです。アメリカにも似たような雑誌がありますが以前写真の枚数を比較したことがあります。3~4倍は日本の雑誌の方が多いです。またカルチャーなのかもしれませんが、英語は文章で説明しようとしますが日本はできる限り図解であまり文章での説明に入りません。図は言語を問わず理解できるので翻訳してある必要もないのです。また図のキャプション程度ならオンライン翻訳も十分活用いるので必要であればオンラインで確認もできましね。インターネットがここまで発達していますがぜひとも日本のマニアックな雑誌これからも出版され続けてほしいし、もっと日本国外でも読まれるようになってほしい。もっとももう女性の雑誌は台湾、香港では本当普通に読まれています。私の台湾にいる元同僚(女性)も日本の女性雑誌の読者でした。雑誌は立派な日本のカルチャーでもっと輸出できると思います。
専門的な雑誌も内容がありました。アメリカなどでも雑誌があるのですが通常Freeなことが多い。広告で費用を賄っているからですし通常定期購読が必要でしかも結構な金額です。それに見合った内容だった。 ”だった”と過去形にしているのは少なくとも私の仕事分野では雑誌の休刊もしくは縮小が進んでいるように思います。もうずいぶん以前のことですが日経マイクロデバイスという雑誌を日経が出していたのですが今は休刊になっているはずです。80年代、90年代と日本がシリコンをリードしていたころはこの専門雑誌、非常に内容があり執筆も調査を十分された濃い記事だったのです。関連する産業が日本で衰退していったにつれて雑誌も休刊に。以前も書きましたが私は日本にシリコンを今一度復活させるのは国家事業レベルでやっていただきたいと思います。
写真は雑誌とは全然関係ないです。スイスのチューリッヒ一番のショッピングストリートで。この通り沿いだけでも時計のお店がいくつもならんでおり高級ブティックなどもありましたが日曜は店が閉まっており閑散としておりました。月曜になると人のでもありとても賑やかになっていました。