根を張る

以前水を撒くというBLOGを書きました(以前のBLOGには赤い字になっているところにカーソルを持っていくとリンクがでます)。

そこでは牧師さんの奥さんの木の話をしました。根が張るように水をまかないでいたので台風のあと大木が倒れた話です。

大木の根、見たこと(観察)ありますか? はるか以前確か東京で子供の描いた大きな木を見ました。根を書いていたのですが根っこはずっと下に長く伸びてました。

長い根はそうですね、一つのことに経験を積んだそんな証とでも言えるでしょうか? 伝統芸能、茶道、武道を上げるまでもありませんが長い年月その道で研鑽を重ねられている。こんな場合、年月も重要な要素になります。だから歌舞伎俳優の家系では3歳にもなると稽古始めるんですね。18から入門した人と比較すると15年も経験が多く、もう追いつくのはほとんど不可能。これは複利の世界では資産形成のみならず当てはまる人生の重要な法則とでも言えるでしょう。

でも、そんな一つのことをずっとしておられる方々をよく見ると、深いだけでなくとても広いことがわかります。異業種、異なった領域の方々との共同作業、コラボって日本語で言うんですか?を進んでしておられます。いや、そういう広がりあることをされていない方はいらっしゃらないように思います。 深い一本の自分の道を持つと同時に根をはり道をより広げ確かな物にして言っておられるわけですね。 興味の範囲がとても広いのです。

さて翻って私たち、根を張っているでしょうか?私が思うに樹木は最初色々な方向に根を張っていくと思うのです。そして水、栄養素の多いところを見つけたらそこに集中して根がはり大きくなっていく。でもいつまでもそこに水、栄養素があるという保証はないですからあちこち捜し歩いてもいるはず。

日本は定年まで勤めあげる終身雇用が長かった。良い面は沢山あると思いますが根が張れたかなというとどうでしょうか?

大会社で社内移動がある程度自由にできる会社があり自ら進んで社内で異動していれば少しはあるかもしれませんがよくあるのはずっとそのしごとをしてきた(だけ)、というケースです。しかも同じ会社。そうなると深くはなるのでしょうが横には広がっていない。

同じような仕事をずっとしていても、例えば会社を変わっていれば人のつながりは出来ます。

終身雇用でそのどちらもないという状況になりある日突然台風がやってくると実はかなりもろいのです。

私の知る限りアジアでは日本、韓国がどちらかというと終身雇用体制(だった)かなと思います。昨今の状況をみるともろさが出ているようです。面白いことに同じアジアでも台湾、中国では人がどんどん移動しています。終身雇用かどうか聞いたことはありませんがあれほどに人がうごくのだから違うのでしょうね。

退職金制度がありそれが勤続年数で大きく影響していたのが大きな要因なのかなと思います。ちなみに私は退職金は転職8度ですが一度ももらったことはありません。退職金って、給与の後払いだと思います。プロの選手は契約金をもらいますがこれは退職金の前払い、いずれにしても給与をある時まとめて受け取っているということですが私はそれだったら毎年もらう給与が多いほうが良いです(そこから少なくとも15%は自分で貯めるようにする)。決して全部使わない。それとローンは組まない、賭け事はしない。

同じことをずっとしてきても根はあまり大きく張れない。全く違うことをしなさいと言っているのではないです(もちろんそれもありますが)。例えば

1. 私自身の例で言うと35年間プロセッサ関連の技術職をしていますが、開発職、顧客サポート職、マーケティング、と職種も会社も変えてきた。しかもプロセッサはどんな最終製品にも使われるので色々な最終製品に関わってきた。 今はまた開発職ですが今の会社は以前お客様として一緒に設計をしてきた会社です。

2.友人の一人にエンジニアを5年ほどしてそれから医学部に進み医師となり医療機器のベンチャー企業を創立しその会社が買収されたことで今はせかいでもい、2のブランドであるシリコンバレーの会社で医師+エンジニアとして働いている

3.別の友人は長く開発エンジニアをしていたがその自分たちが設計した製品を売るために技術セールスになり今は別の会社でトップセールスになっている。

など自分のコアになる部分は持ちつつ広がりを持たせています。

しかもいずれも転社(会社を変わる)ことも何度かあり人的なつながりも多く持っているのです。

こうした根を張るようにキャリアを積んでいくことがこれからより求めらると思います。

昨今、日本では再び終身雇用(安定)を希望することが多くなっていると聞きますが私はこんな考えもあるんだよ、ということをここで紹介しておきたかったのです。私は転社、転職が不利にならないような社会的仕組みが出来れば日本は再び大きく活性すると思っています。以前書きましたがお金は回す(運用)すると増えるのです。同じように人的資産(人材)も回すことで大きくなると信じています。回すには移動しやすい環境が必要です。お金、信用のおけない、そうだな、北朝鮮の証券取引所で運用しないでしょう?同じように転職、転社が不安材用(昇進等で)有る限り回らないと思います。

何度か書きましたが自分の履歴書を定期的に見直してアップデートすると自分自身にたいする良いレビューになると思います。それと

ー実体験、 外に出る

なんども書いているのでこれまでのBLOGをご覧になったことがあれば、”またか”となりますが。。。

 

カリフォルニアは雨が少ないのです。そんな土地だからかでしょうか、いや雨が多いところでも同じかな?、 木の根は地上を這うように広がるのです。少しでも降った雨の水を吸収しようとすると地下深いところにばかり根を広げても水分が得られません。これを人に言いかえるならさしずめ

ー機会があれば、それが例え短いものでも貪欲に吸収しなさい

ーまずは広がってみる、探し出す旅は深いところでする必要はない

とでもなるのでしょうか。自分のコアとなる興味や経験がわからないことも若いうちは多いもの。そんな時地中深く根を伸ばすより色々な方向に根を伸ばして水、栄養分(つまり自分のやっていける、やっていきたいこと)を見つけるほうが良い結果を産み出すように思います。XXX一筋はそれからで良いのかもしれません。

手短に実行する方法は? というと

読書

です。 良書を読む。インターネットのBLOGやYOUTUBEではなく。良書を探す、そんな時間を取ってほしい。以前書きましたが日本はとても恵まれています。今でも書店があるからです。アジア、中国、韓国、台湾どこも書店があります。UKには好きな書店があります。

残念ながらここUSAは書店がどんどん閉鎖されています。オンラインもありますが本を読む層がどんどん減っている。結果?今の散々たる社会問題(馬鹿者を崇拝して気勢を上げるとか)を作り出している。

書店と図書館。こちらも図書館ありますがどこに行っての訪問者は中国系かインド系の人が大半。本を大量に読んでいますよ。中国嫌い と言い前にしっかり本を読んで競争しなさい、と還暦になる爺は思います。