シリコンバレー 就職

シリコンバレー、サンディエゴ、オースチン、コロラド、ニューイングランドなどUSAのテクノロジーのハブでキャリアをと考えている人に何か書けることがあると思いこのページを追加しました。USAで30年も働いていればそれなりに助言や手助けもできるはずという勝手な判断です。ブログにするよりまとまったページにすることにしました。頻繁に追加していきます。もしあなたのゴール、興味が事業を始めること、であればこのページは全く役に立ちません。しかしながらこれから書いていくのはUSAで主にエンジニアとしてのキャリアを積んでいこうという方には少しは参考になると思います。

USA特にシリコンバレーでの就職をと考えこのページに出会ったのなら、ぜひこちらのBLOG(私の姉妹BLOGです)をアクセスしてください。 就職やその他、私の長さではあまり他の人には負けない経験(もう在米31年目ですからね)に基づくBLOGを書いてます。こちらです。https://cookies-mind.com

まず最初に自分自身のキャリア、興味、やってみたいこと、その他じっくりと考えることが先決です。興味、やってみたいこと、じっくり考えたことがありますか? 私の経験では時とともに変わっていくものだと思います。”既にある”という方も時に触れこの質問に向かってみると自身の次なる方向が見えてくることもあります。私事で言えばいまAR関連のチップ設計をしています。この5年ほど私の興味は自動運転とAR/VRなのです。自分が年老いていくから安全な車が出てほしいという希望もありますがもっと個人的な理由からです。私の子供はDisabilityがあり自動車の免許は取れそうにないですが自動運転が広まれば自動運転に限るといった条件でライセンスが取れるかもしれない。一人で色々なところにでかけるのは困難ですがAR/VRが広まれば疑似体験はできるようになるかもしれない。そんな未来が少しでも近づくことに従事して貢献できればと思っていました。どんな技術が必要か色々調べました。そんな中で半導体が再び重要になっており自分にも直接従事できる場があることを知ったのです。数年すれば今度はその製品を広く広めていく場に移っていくだろうと思います。 

ここからはシリコンバレーでエンジニアとして就活をする、と決めたという仮定の元でこれまでの私自身の経験をまとめています。軽い読み物程度かもしれませんがシリコンバレー初めてという方には就職(転職)の大まかな全容がつかめるかもしれません。私自身の経歴については自己紹介のページを参照ください。

0.必要なこと、あると良いこと

-友人、

ー実力

ーやる気、やり遂げる意志、何がしたいかを知っていること

ーまあ一緒に働ける程度の性格(でも実力がスーパースターならあまり重要でない)

英語? 片言でコミュニケーションが取れれば大丈夫。片言は日本人基本的にできます。もちろんポジションがマネージャ、マーケティング、北米担当のセールスだとか言ったケースは英語は重要です。あくまでもエンジニアリングのスタッフ(実際に開発にあたるひと)だという前提です。なによりも重要なのは実力です。”英語が。。。”と日本でも良く言われましたが、私は頭の中で”実力が。。。”と置き換えておりました。実力ないのに英語を気にしていても全く無意味であるとはっきり申し上げておきます。ところで日本では実力を資格や検定で評価することが多いですね。これは実際大きなビジネスですね、しかしながら弁護士、医師、などライセンスが必要な職種を除いて必要ないです。英検、情報処理試験など必要ありません。

1. 面接にたどり着くには

なにはともあれ仕事に就くには面接を通過しなくてはなりません。そのための最初の関門は 発見されなくてはならない! です。仮にGAFAの一社の求人(Job Opening)に自分が就きたいポジションを見つけたとしましょう。そのポジションにオンラインで自分の履歴書をアップロードしてアプライ(申し込み)をしたとします。記述が終わるとほぼ一分以内にEMAILを受け取るでしょう。システムが自動で送ってくるEMAILです。”Thank You”EMAIL。 その後? 99%の場合は3か月後程度すると再度EMAILを受け取るでしょう。”申し込みありがとう。履歴書を検討した結果今回は見送るという結論に至った”と言った内容です。これも自動的に送ってきます。まず確実に言えることは誰もあなたの履歴書を見てはいません。一つのポジションに100以上の応募はざらです。しかもこういった大会社、求人の数は常時1000以上はあります。つまり人がさばける数を超えているのです。そこでAIソフトがフィルタをかけます。そのAIソフトのフィルタにうまく乗るような履歴書でなければまずその段階ではじかれると言っても過言ではないです。その履歴書については後で再び触れます。 

ひと頃はリクルータと呼ばれる人が企業のHR(人事)に人材を斡旋していましたが 現在、多くの会社ではこういったプロのリクルータを通じての応募を受け付けないことが多くなりました。”コネがある”と言ったように勧誘(この場合リクルータはあなたからFeeを受け取る)、あまり進めません。”XXX 100%” など聞いたことがありませんか? どこでも良ければ100%かもしれないですがそのような会社、あなたがターゲットにしている会社の仕事に就けてあげる保証をできるわけはないのです。高いFeeを要求してくるようなら”怪しんだ方が”無難だと断言できます。たとえインターンでもです。インターンを選ぶ面接は簡単ではないです。たとえ有名な大学教授の推薦でも有名教授が推薦する候補者が複数いるのですから面接にまでは至っても採用を保証するようなことはあり得ません。私はインターンも雇いますからインターンの競争が激しいことは知っていますよ。広告で採用実績100%なんて記述があれば、はっきり申し上げて”デマ”であります。どこでも良いんですか?だったらFee払う必要もないです。

では何が有効なのでしょうか? それは友人、従業員による紹介(Referral)です。実際私の転職はすべて友人の紹介が発端です。GAFAのような会社のみならず、ベンチャー企業にも2度仕事を得ていますがすべては友人の紹介です。これはなにもシリコンバレーに限った話ではないです (オースチンに元上司がいますが何度か誘われた。)企業は従業員による紹介を推奨していますよ。紹介した候補者が面接をすべて突破し、晴れて採用になった場合紹介者にはボーナスがでるのです。会社やポジションによりますが大体1000ドルから10000ドル程度。私の同僚は昨年4人そのようにして紹介をしたエンジニアが入社しているのでかなりなボーナスになっています。しかも自分の一年間の業績としても認知されるのです。従業員の紹介になる応募はHRの目に留まる確率が圧倒的に上がります。

誰も知り合いが居ないですか? わたしは喜んで紹介者になりますよ。私が現在働く会社でなければ応募したい会社にいる友人を紹介することもできますよ。奮ってご応募を! ただし履歴書を拝見したうえで決めさせていただきます。Fee 取りません。採用されたら会社がボーナスくれますからね。

発見されなくてはならないと書きましたが発見することも同時に重要です。沢山の会社があり、沢山のポジションがありますね。全部見て回れないでしょう?したがってこれも友人、知人の紹介です。先にも書きましたが私の転職はすべて知人経由。自分が探したというより友人が教えてくれた方が圧倒的に多いのです。広いようで狭い世界です。発見し、発見される

”へえ”と思うようなベンチャーが突然出てきたりします。エンジニアどこからきたのでしょうね? ほとんど全て仲間内、そして彼、彼女らの紹介です。元上司、元部下というのも良くあります。自分の上司に元上司を連れてくるということもあります。働きたい上司を連れてくるんですね。

2.履歴書を準備しておく。履歴書を合わせる

ブログの中でも履歴書について触れたことがありますがここでは正に面接にたどり着くためにはどうするかについて経験を踏まえて書いてみたい。まず、履歴書は転職する、しないに関わりなく定期的に更新しておくことは必要です。このことはブログでも触れました。更新する内容がない、というのは言ってみれば何もしてこなかったということですからなんらかの更新事項はあるはず。

次に5年も経験を積めばいくつか目的、目標等に合わせた履歴書の準備を始める時期になっているはずです。私は仕事関連では4つの履歴書を持っています。それぞれ”見方”が異なる同じ自分の経歴です。経験は同じでも違った履歴書が書けるはずです。 

これらはいわば自分のマスター履歴書。実際の仕事に応募する時にはそのマスターから最適化した履歴書を作成するのは必要なことです。自分の履歴書を読んでもらいそして”採用”してもらう必要があるのです。その採用に通って初めて電話面接や本面接に至ることができるのですから夢おろそかにしないことです。

では、どのように履歴書をカスタマイズ(適切化)するのか?数々のブログや書籍がでていますから私より詳しい方も多いとは思いますが、

キーワード: 仕事内容や相手が求める”理想”な候補者の情報は求人情報に出ています。その記述からキーワードを探し履歴書の中にそのキーワードをちりばめる。仮に同じような意味の違った単語を使っていたら書き直す。仕事内容などはマネージャ直々に書くことが多いです。ですから同じことでも使ってある言葉を使うことは重要です。

順序:Qualification(適切だと相手が思う候補者)の記述も見つけることができます。通常箇条書きで記載されていますがその順序に合わせるように自身の経歴を書く。相手と歩調を合わせるように。読んでもらう工夫です。ところでQualificationのリスト、全項目を網羅するような候補者は一人もいません(経験上の結果)。どの項目が重要なのかを見極めることが重要になることが多いです。仕事内容と照らし合わせて検討します。経験が少ない方には難しいかもしれませんが経験豊富な人からアドバイスをもらうと役立つはずです。

ー曖昧にしない。自分がやりたいことを曖昧にしないが、狭くもしない。難しいのですが狭くせず、かつ曖昧にもしない。ここが難しいんですね。

ーもし友人の紹介等であれば、そのマネージャの癖、考え方等について聞きそれに合わせる。以前友人の紹介であるポジションに応募しましたが彼からあるキーワードは絶対いれろ、いれるな、といったアドバイスを貰いました。紹介者は面接等に関わることはできないですが、友人、知人と接触してはいけないともなっていないです。聞き出して適切に修正するのは確率を高めます。

自分の職歴、経験は一つ、でも履歴書は複数。これよく考えたらもっともしごくなことなのですが、どうですか? 複数の履歴書 もってますか? 定期的に更新していますか?

履歴書をプロに書いてもらうこともあります。適切なプロに書いてもらいその後自分でアップデートしていく(マスターの場合)。プロの中には応募したい仕事、会社の情報を基にカスタムな履歴書を作成してくれる人もいるそうです。どこまで優秀か、見極めるのは難しいですがそんなプロのWEBサイトを訪問するともっと詳しく履歴書の書き方が学べるかもしれません。

要約すると履歴書は

ーマスターとなる履歴書、複数(違ったバージョン)作成し適宜更新をしておく。

ー実際の求人に応募する時にはカスタマイズを忘れずに。その履歴書が次の段階に進めてくれるのです。けっしておろそかにしないこと。

です。

履歴書に個人情報は不要です。書かないほうが良いです。例えば年齢、結婚しているかどうか、国籍、性別、宗教的信条など。写真も添付しません。

インターネットにはResumeのテンプレートも豊富です。 例えばhttps://www.forms.ge/US-Resume-Template

最後に、学歴。ソフトウエアエンジニアに学歴は不要。。。とも聞いたことがあるかもしれませんが、プログラマーなのか、ソフトウエアエンジニアなのか?を検討することも重要になります。ソフトウエアエンジニアというのはコーダー(プログラマ)とは異なりエンジニアリングの仕事に従事します。日本ではあいまいですが今でもエンジニアとテクニシャンを区別して考えるマネージャもいます。エンジニアは基本、学位を持っている。。。古い考えなのかもしれないですが(特にソフトウエアの開発では)、学位はあるほうが優位になります。また少なくとも卒業後5~10年程度の間はマネージャによってはGPAを聞いてくる人もいます。私の個人的経験ではインド系のマネージャはGPAを気にすることが多いように思います。日本の大学はGPAを卒業時に学生に伝えているのかわかりませんが大学に問い合わせると単位の詳細を送ってくれるはずです。一度も確認したことがなければ確認しておくと良いです。私はマネージャとしてGPAに重きを置いたことはありませんが履歴書の選考をするのは通常マネージャなのでその選考に残らなければ次の段階に進める確率は少なくなりますからもう一度書きますが履歴書は大切なドキュメントです。

3. 面接過程 (大会社編)

ルールがあるわけではないですが私自身の経験ではGAFAのような大企業とベンチャー企業で過程は異なった。 まず大企業、特に人気がある企業そうだな、いまでしたらGAFA, マイクロソフト、NVIDIA、など(Teslaも入りますかね?)の場合概ね、履歴書選考を通過したら

まずDiscovery Call。 担当するHRのEMAILから始まる。このCallではその候補者の現在の状況、たとえば現在アクティブに仕事を探しているのか、すでに他のインタビューを受けているのか?と言ったこと、それと仕事を探している理由(例えばキャリア、例えば引っ越しなど色々な理由があります)、といったことを確認する。そして電話インタビューを受けたいかどうかの確認とその場合いつ頃(時間、曜日)が都合が良いのかといったことなど。事務的です。

電話インタビュー。通常マネージャが最初の電話電話インタビューをします。やはりまず現在の状況確認から入り、仕事内容の大まかな説明(確認)をしてその候補者がその仕事やポジションに実際興味あるかどうかを再確認します。この電話インタビュー、エンジニアのポジションの場合まだ技術的な話には至りませんが重要です。面接は双方にとって時間とエネルギー要します。ですからせっかく面接にまで至ってもその仕事やポジションではあまり興味がない、と後で分かったとしたら双方にとって不幸です。ですからこの段階でお互い、次のステップに進むかどうか判断することになりますのでたかが一時間程度の電話ですが充分に話を聞き、理解することはとても重要です。特にいくつもの会社のポジションに応募している場合自分自身もそのポジション本当に従事したのかどうか確認するのは大切です。

電話インタビュー。マネージャとのインタビューに続きます。ここからは実際のインタビューで候補者の実力や性格などを評価する面接になります。面接する側は履歴書を持っていますからその履歴書に従って面接してくることがあります。企業秘密には触れないでかかわってきた仕事、プロジェクトについて質問しながら関連する技術内容について質問してくることもあれば、面接者が現在かかわっている仕事からそのポジションに関連することを切り出して質問してくることもあります。マネージャから前もってどんなことを聞くか指示の出ている場合もあります。電話なので真意が伝わりにくいのが難点なのです。実はとても難しいのです。慣れていなければロールプレイなどで練習しておくことも必要かもしれませんよ。対面面接であれば相手の表情も見れますから自分が話している内容が伝わっているのかも適宜わかるのですが電話ではそれがとても難しいです。電話インタビューは一人もしくは二人程度です。この一人か二人の判断で次に進むかどうかが決まるのですからおろそかにはできないです。 ロールプレイ、慣れないうちは重要です。 ひとつ課題を。これは実例です。プロダクトマネージャのポジションでの電話インタビューです。 EVの本格的な普及が始まっています。EV普及の一つのポイントに電気のチャージングステーションをどのように展開するかと言うのがあります。さて都市部にEVのチャージングステーションを設定していくというプロジェクトのマネージャになったとしてどのようにプランを立てていきますか?  こんな質問を私は受けました。GAFAで車関連をやっている会社です。大体、時間は30分。考えてみます?ちなみに私はEVの経験はゼロでした、しかもポジションはEVとま全く関係がない。いきなりこんなことを電話面接で問われてどう答えますか?対面でも難しいのに電話ですからね、困難度は上がりますよ。ロールプレイの練習相手がいない? お相手しますよ。厳しいですがね。

対面面接。 晴れて電話インタビューをパスしたら会社で本面接です。COVID19な2020年度はほとんどがVideo Conferenceでこの面接が行われていますがこれは双方にとってより負担ですね。ここでは実際に会社に赴いたという仮定にしておきます。普通一日で昼食も含めて6時間程度でしょう。大体平均して4,5人と会うことになりそのうちの一人はマネージャです。会社によってはマネージャとは事前に会っている場合もあります。私がこれまで受けた対面インタビューで一番大変だったのはGAFAの一社 Appleにおけるエンジニアのポジションです。二日間のべ13人とひとり45分の技術面接。コード、回路、アルゴリズムを白板に書きながら出てくる問題、質問に答えていきました。45分はあっという間に過ぎます。色々なエンジニアが出てきます。どんな問題を聞いてくるのかは全く予想もできないのですがそれでも傾向はやはりあります。主にソフトウエアエンジニアのポジションで過去にインタビューで実際に使われた問題を集めたWEBサイトがあります。またそのWEBサイトの問題を解説したYOUTUBEも沢山あります。面接に備えてこういったところにある問題を沢山解いておくと役立ちます。事実私はその13人の面接に先立ちそのポジションを紹介してくれた友人から“たとえCPUアーキテクトのポジションでもコーディングの質問をしてくるからこちらのWEBサイトにあるMedium(中程度の難易度)の問題を見ておくと良い”とアドバイスをもらいました。実際何人かは似たような質問をしてきました。https://leetcode.com/ です。 腕試しに見てみますか? 

面接は技術面だけでなく性格なども見られています。性格を中心に評価する担当者が必ず一人か二人隠れています。そういった役柄の人は社内でそのためのトレーニングを受けているのです。私の会社は面接する人は一通りのトレーニングを受けます。私は長い職歴で以前はマネージャをしていたので人を雇うのは慣れているのですがそれでもトレーニングを受けました。対面面接では昼食をはさむのでその時はこちらが沢山質問できるチャンスです。会社のこと、仕事のことなどできる限り聞き出す。。。重要ですよ。巷で聞くことと実際、異なることが多いです。マネージャとも必ず会います。その人の下で働けるか、その時が唯一のチャンス、こちらが面接するつもりで臨みます。そうそう、そのために事前に聞きたい、確認したい項目をリストして持っていくと良いですよ。ノートの持ち込みはもちろんOKです。あまりする人を見かけませんが。面接は一方通行ではないです。こちらも相手を面接しているんですね。努々お忘れないように!

問題集も沢山でてますよ。例えば https://www.amazon.com/Cracking-Coding-Interview-Programming-Questions/dp/0984782850/ref=sr_1_8?dchild=1&keywords=job+interview&qid=1599195738&sr=8-8

Googleにいる友人はこの本を薦めていました。 いや、難問が沢山でています。これはSWエンジニアのポジションですが別ポジションの問題集も出ています。

ー最終面接(オプション): 面接を突破しました!! ポジションがかなり上だった場合、最終面接はVP (Vice President)と30分程度の面接がある場合もあります。もうオファーが出るという前提での面接になりますが最終確認ですね。この段階で落ちることはほとんどないです。こんな面接がスケジュールされたとしたらそのポジションはタイトル等に関係なくかなり上位であると思ってまず間違いないです。そのポジションがどの程度なのかを理解しておくことは大切です。それはオファーの内容(給与、ストックなど)を確認する際の重要な指針になるからです。自分を安売りしないためにもそのポジションがその会社内でどれくらいのレベルなのかを知ることは大切です。

以上は大会社。 ベンチャーの面接は? それは次に。。。

ところでエンジニア、エンジニアリングの面接ではスーツにネクタイである必要はないです、と言っておきます。マーケティングだったら? スーツやタイはいらないですがジーンズにしないほうが良いかもしれない。とはいってもスーツにネクタイでも何ら問題はないですがね。服装が採用に影響することは少なくともエンジニアのポジションならありません。Wall Streetなら? 知りません。でもやはりスーツとネクタイでしょうね。もっともHFTをやっている会社(Wall Street)を訪問したことがありますがエンジニア集団は皆ジーンズとTでした。ブログに書いたように。

4. ベンチャー企業 面接

私はベンチャー企業の経歴が一番長いです。2社勤めています。最初の会社はわずか8か月、2度目の会社はベンチャーとして13年、大きな会社に買収されて後6年。どちらも友人、元上司の紹介です。これまで紹介なしだったのは本当に若いころのIntel(オレゴン勤務のはずがアリゾナ勤務のオファーだったのでとらなかった)、今はないAT&Tベル研究所(ベル研はありますよ)。ベル研はペンシルバニアのアレンタウンと言う町か、ニュージャージーのホルムデールと言う町にある研究所。どちらも田舎でした。つまり経歴の最初を除くと友人の紹介です。

ベンチャーの面接は”速い”です。人材を探すHRも契約で会社が雇っていることが多いです。コミッションで働いていますからこうした人たち自身のネットワークなどを通して人材候補を探します。いわゆる最初の10人、20人、といったコアメンバーは創立者とその仲間のネットワークで”調達”しますからHRがかかわるのはその後会社が資金を工面できた後になります。私は2社ともそのころに仕事を得ました。紹介がほとんどです。HRから先に連絡があり履歴書を送った経験もあります。XXXXの紹介だと言ってきましたよ。XXXXは私の元上司でありました。こういった紹介があるので電話では興味があるならいつでも面接するとなります。友人がリクルータになっているのですね。従業員がリクルータともいえる。 電話面接をする場合もありますが経験者を雇う場合最初から対面面接であることが多いです。経験者であるという前提で

ーエンジニアのポジションなら技術面接です。ここは大会社と同じなのですが、面接の後半にかなりな時間をくれることが多いです。この時間はその会社についてこちらが質問する時間です。なにしろスタートアップ。会社を良く知っているわけはないですからね。

ーCEO, CFOなど経営者との面接。ここが大会社と異なるところです。CEOなど経営者レベルにはほぼ確実にFounder(創業者)もいます。会社が成功するかどうかは優秀な従業員とチームを引っ張っていける経営者チームがあるかですね。実はベンチャーの場合こちらが会社をインタビューしている時間の方が長いのです。すぐだめになるような会社じゃ困るでしょう?私はCEO, CFO, エンジニアリングのVPそしてセールスのVPと面接をしました。エンジニアとの面接は一人だけでした。ベンチャーはエンジニアに自分たちの会社を”売る”ことも重要なのです。そう”お見合い”のようにですね。お互いが面接しあっている

さて何を確認しますか? 重要ですよ。例えばこんなことでしょうか。

ーどんなバックグランドの人(マネージャ、エンジニア)が集まっているのか

ーどの程度開発は進んでいるのか?顧客はいるのか(評価中の顧客も含め)。セールスやマーケティングスタッフはどんな状況か(小さな会社ではセールスは契約を結んだセールスレップだったりもします。はっきり言って会社のためには働いてくれません)。

ー資金源とどれくらい資金があるのか。今後の資金についての計画。資金の消費レート、つまり一体全体今ある資金はどれくらいもつのか(2年?3年?)。

ーハイヤリングプランとオフィスの拡張計画。セールスの拡張計画も含めて。自分はエンジニアだからセールスは良くわからない、というのではベンチャーは薦めません。どんな企業でもお金を持ってくるのはセールスです。エンジニアは純粋にコスト。セールスがしっかりしていないベンチャーで成功することもできますがそれは技術が優れていてそのエンジニアリングを買収したい会社が現れた時だけです。この場合セールスやマーケティングは買収時に職を失います。エンジニアが欲しいだけですから。

ーストックについて。どれくらいのストックがすでに出ているのか。誰がそれくらいの割合を所有しているのか。”かず”ではなく割合です。ここを間違えると後で後悔します。例えばオファーにストックオプション100000株とあった。すごく多く見えますがこれが割合にしてわずか0.01%だったら?たいして多くないです。逆に5%だったら?とても多いですね。%で確認する。従業員にどれくらいの割合が用意されているのか、知っておかないといけません。現在の会社の評価額(資金調達の際に必ず出てくる項目です)についても知っておく必要があります。

など。もっと他にも確認しておきたい事項があるはずです。なんでも質問して良いのです。お見合い相手の年収とか確認するでしょう?同じような感覚ですね

ベンチャーを目指すのでしたらベンチャー企業がどういったものか、従業員になるということのメリット、リスク等をあらかじめ良く知っておく必要があります。自分の将来プランも含めて。ベンチャーはキャリアと言う面では限られることが多いです。エンジニアがエンジニアのまま何年もいるというのはごく普通です。仮に将来マネージメントに進んでいきたいというのであれば社内に沢山チャンスがある大企業である程度キャリアと積んでからベンチャーに移るほうが良いプランかもしれない。こういったことを相談できるキャリアコーチを持つと良いですね。

5.面接後(大会社)

ベンチャーの場合を書いても仕方ないので大会社のケースだけ。

面接が終わると2,3日以内に社内で面接を担当したすべての人がなんらかの形で集まって検討をします。会社ごとに決定方法が異なるのですが、私が現在働く会社は全員の合意が大前提です。一人でも反対、もしくは”どちらかというと反対”の評価の場合、保留になります。この場合引き続き別候補と面接です。二人反対であれば保留ではなく”落ちた”ことになります。落ちる場合連絡はすぐそのあと。採用となった場合、まずは連絡をします。でも”採用”ってすぐには言わないのです。なぜか?もう一人、二人と面接をしてみたいという欲求はやはり残るからなんです。もちろんすごくできる候補者の場合、大抵このような候補者の場合、他社の面接も受けているはずですから動きは速いです。特に候補者がすでに他社の面接を済ませているとかオファーを持っているような場合は迅速なのです。

オファーはどれくらいで来るのか? 口頭のオファー(EMAIL)は概ね10日以内(迅速に行動する必要のない場合)。これは採用の方向で考えているという内容の連絡です。

いわゆるオファーレター(正式な採用通知)は大会社では特に遅い傾向があります。私は現在の会社、4週間待ちでした。 なぜか? 

ー入社時のストックボーナスの承認に時間がかかる。結構時間がかかります。

ーポジションの調整。元々のレベルより上のレベルでのオファーに変更するようなこともあります。この場合再承認が必要になることもある。

ー人事のバックログ。 大きな会社ではありがち

など色々理由ありますが4週間も待っていました。定期的に状況を教えてくれますがヤキモキしますね、そんなに待ったら。ただ迅速に行動する必要があるときは速いですよ。とても速い。競合に取られたくないレベルの候補者になりたいですね。ですから自分が今現在他とも面接をしているような場合隠さずに伝えておくことは重要です。隠しても仕方ないので正直に言うべきですよ。

6.オファーをもらったら(大会社)

晴れてオファー(採用通知)をもらったら、おめでとう。でも数々の項目をしっかりと確認しましょう。

ーポジションと誰にレポートするのか(直属の上司)。面接時と話が変わっている。。。と言うことはありうることです。勤務地も再確認することです。特に面接時に引っ越し(リロケーション)について聞かれリロケーションも可能と言ったような返答をした場合勤務地が引っ越しの必要な場所になっていることもあります。

ーサラリー関連。 ”おかね”です。とっても重要。ベースサラリー(基本給)にボーナスと言うのが普通です。ボーナスがどのように決まるのかオファーレター(EMAIL)に書いてあるはずです。複雑な方式で決まることもありますからきちっと理解することです。ベースについては”相場”を知っておくことも大切です。仕事を探し始めたら”相場”がどの程度なのか調べておく必要はあります。また自分が欲しい金額もきちっと知っておくことは重要です。自分が欲しいサラリー(収入)はベースだけで満たすことです。ボーナスも含めて考えるのは良くないです。ボーナスはあくまでもボーナス。

ーエクイティ(ストック)。 入社に伴いエクイティをオファーされることがあります。RSA (Restricted Stock Award)と言い、スタートアップ企業のいわゆるストックオプション(ISO, Incentive Stock Option)とは異なります。RSAをオファーされる場合そのスケジュールを確認しましょう。いつからVestingが始まるのかなどとても重要です。会社によってはすぐなこともあれば、最初の一年は全くつかないなど様々なのです。またベース同様、自分の期待値と合っているのかも検討する必要があります。エクイティは資産形成に重要な要素になります。会社によってはボーナスの一環としてエクイティもあります。私が現在勤める会社も現金ボーナスとエクイティボーナスのどちらもあります。現金ボーナスと異なりVestingは一度に全部ではないですからエクイティだけがボーナスなのかについての確認は必要です。RSAの良いところは株式なので将来株価が上がれば自己の資産も多くなります。もっとも逆もあるので普通従業員は自分の持ち分に合わせて適宜売却していきます。いつでも売買できる会社と期限を限って売買させる会社に分かれます。期限を切っている会社はいわゆるインサイダー取引を防止するためですがもちろん会社を辞めたあとには適応されません。

ー医療保険その他。あらかじめ詳しい資料を要求しておきましょう。USAの医療保険はとても複雑です。独身で20代、30代、健康そのもの、であれば別ですが家族がいる、持病がある、と言った場合Medical Insuranceはとても重要な項目です。私は今の会社に移って医療費負担だけでも年10000ドル程度も軽減しました。今の会社はシリコンバレーでもトップクラスに良いプランなのです。とりあえずとても複雑で慣れないと理解できないことがあります。家族等に特別な医療が必要な場合HRに詳しい資料を要求することも必要です。

ーその他。大きな会社は401K, ジムその他数々のベネフィットがあることがあります。詳しい資料を要求すればくれます。もらって全て確認するべきです。

さてこれらを確認するのですが、同時に会社側も色々と確認してきます。オファーレターには条件が付いていることがほとんどです。条件を満たせなければ入社には至りません。通常以下のような内容ですが大きな会社では外部の会社に委託することが多いです。

ー法律的に就労できること:ビザが必要であればビザがおりて確定することが条件。法律的に就労できるかは初日にもう一度確認されます。書類(例えばUSA発行のパスポート)の持参が必要です。初日に確認ができない場合就労できません。入社日にならないのです。後日持参と言うのは認められません。パスポート、Green Cardなどは期限切れではだめです。 Green Card期限が書いてあるのです。INS(移民局)から知らせが来ることはありません。期限を確認して更新することを忘れないようにしてください。

ー履歴書内容の確認:学歴について卒業を証明できる書類の提示。就労の経験がある場合数人のReference。元上司が一番好まれる。元上司とは会社を離れても連絡を取っておくと良いのはこういったことがあるからです。実際にReferenceにコンタクトを取るか取らないかは知らされません。信頼できる元上司はとても重要です。私は現在4人います。そのうち2人はとても名前が知れた人で名前をだすだけである程度私自身の信用度を上げることができるくらいです。

ー会社によってはドラッグテストを要求されます。この場合会社指定のクリニックに行ってドラッグテストを受けます。電話で予約を取りますが日時を指定してきます。指定日時に都合がつかない場合どうなるのか?知りません。都合をつけて指定日時に行くことです。とりあえず受けないとオファーは取り消されますよ。これは”即刻”取り消されると聞きました。一度受けたことがありますがとても厳密で別人物のサンプルを持ち込めないようになっていますし、サンプルを採取したらありとあらゆるところに自身でサインをします。

実際の入社日は上記のことがすべてクリアになった後になります。もし仮に現在就労しているのであればオファーをもらってオファーをアクセプトしてすぐに今働いている会社に伝えるのは得策ではありません。場合によっては実際の入社までに数週間から数か月要することもあるからです。競合の会社への転職の場合その日のうちに解雇(Termination)になるかもしれないからです。オファーをアクセプトしても諸般の理由で就社できないこともあります(ビザとか)。したがって入社日が確定してから伝えるのが無難です。予期しない事態になった場合でも仕事を失わないためも必要な防衛手段ですね。また現在仕事についていない場合、できる限り早く入社するには会社が要求する項目にできるだけ迅速に行動する必要があります。外部の会社に委託している場合委託された会社はすべての項目が満足されるまで報告書を上げません。その報告書が上がるまで入社の準備に入ってくれないですからとても重要なのです。ビザを除けば必要な書類などは事前に用意しておけますから用意を怠りなく。

会社によってはオファーを見るために自分のアカウントにログインする会社もあります。こういった会社の場合、面接のスケジュールができるとアカウントをまず作るのです。オファーを読んでいくと最後にアクセプトするかリジェクトするかを選択するようになっています。期限も書いてありますが、かりに期限以内に決めることができない事情があれば担当のHRに連絡して期限を延ばしてもらっておきましょう。忘れると自動的にオファーを取り消す会社もありますから気を付けてください。また自分がどんな決定をしたにかかわらず担当したHRにはEMAILを忘ずにしておきます。特にリジェクトした場合。そうすることで後々につなげます。一度インタビューをパスした候補は実力を証明したことになるので採用を担当するHRもまた次回なにかポジションが出た場合に仮にあなたが興味を持てばあなただけのインタビューで済むかもしれないでしょう?HRの効率があがる、ひいては評価が上がるというわけです。ですから関係を残すようにしておくと今後のためになります。おろそかにしないことです。HRも会社を変わることがありますね。LinkedInなどでつながっておくと猶更良いのです。事実私は過去にオファーをもらった会社の担当HRとは何人もLinkedInでつながっていて彼ら、彼女らがどこにいるかを知っています。大変なインタビューをパスしたのです、その仕事を取る、取らないにかかわらずその経験を次につなげるようにしておくことは重要です。

こんな感じ。HRがあなたのReferenceになってくれるのです。インタビューが終わってオファーが出たらその担当HRとの関係は持続させましょう。LinkedInでもつながっておくとなおよいです。

オファーをもらう(スタートアップ)

スタートアップに期待しないことは

ーとても良いMedical、Dentalなどの保険。

ーキャッシュボーナス。

ーとても良いベースサラリー。ベースはその後順調に上がることも期待しない。私は3度ベースがさがり13年近くたって買収された時点でのベースと採用時のベースはわずかな違いしかなかったですから。13年間給与が上がらなかったのと同じです。ですから実質は下がっていたことになります。

現金がとても重要ですから現金が出ていく以上のような項目は大会社と比較すると見劣りします。仕方ないですね。医療保険などは夫婦共働きで一方の会社が良いプランを持っていれば良いのですがそうでない場合など、医療保険が生活上重要であればスタートアップ企業はあまり良い選択になりません。いわゆるObamacareがまだ生き残っていますが良いブランを選ぶととても高いです(家族で5000ドルていどもする。)。

とはいってもスタータップ、必要不可欠なのは優れた従業員です。ですからベースサラリーは低くはないです。十分に競争力を持ちますがそれでも自分が欲しい金額に届かないかもしれない。 最近はスタートアップといえども非常に良いオファーを出すところがあります。

ではスタートアップが人材を引き付けるのは?というと

ー職環境。大会社が不向きという人も多いですね。小さな会社の方が自分の性に合っているひとがいます。 かくいう私も小さな会社の方が合っています。キャリアの大半を小さな会社で過ごしていますしね。

ーストックオプション。 言ってみれば成功報酬ですね。オプションをどれだけくれるか(割合で考えますよ、数ではなく%)。この際、これから先どれくらい資金を調達するのかについても検討を十分にすることです。資金は株式と交換(投資ですから)になりますから資金を調達する事に%は減っていくのです。最初のオプションとは別に定期的に会社はストックオプションをくれますが段々オプション価格は上がっていきます。例えば当初一株50セントで100000株だったとすると全部買ったとして50000ドル必要。その株がIPOや買収に伴い一株10ドルになったとすると差し引き一株9.5ドルの利益なので95万ドルの利益となりますね。採用当時10ミリオンのシェア(株)がすでに出ていたとすると10万株は1%に相当しますがその後の資金調達で企業が買収されるときに50ミリオン株になっていたとするとわずか0.2%です。買収価格が100ミリオンドルだとしてその0.2%はわずかな金額です。ちなみにストップオプションはあくまでもオプションでその権利を行使するかしないかは個人の自由です。オプションは通常10年で切れます。行使するということは”購入(投資)”するわけです。先ほどのれいでは5万ドルをかけて投資するわけですが運悪く会社が倒産したらそのお金は戻りません。かといって一切行使しないで10年たつとなくなります。その場合、後ほど会社が買収された、IPOしたとしても一切自己の利益にはなりません。通常行使しなかったオプションは再度もらえますが10年もたちその間に何度か資金調達をしているとその時点でのオファー価格になります。例えば50セントだったのが3.5ドル程度にまで上がる。。。ストックオプションはとても難しいです。ちなみにRSAはオプションではなくアワード。購入する権利ではなくVesting Scheduleに従ってもらえるものです。スタートアップではあまり聞きませんが大きな会社で設けていることろがあります。ボーナスとみなせます。ストックオプションで10ミリオンの資産を作ったとかいう話を聞くかもしれません。それはそんなに多くある話ではありません。うまくいった会社のほとんどは買収されています。買収時どのように買収されるのかもとても重要なのです。またいずれ詳しく書いてみましょう。私が長年勤めた会社は買収されましたが従業員にとってはあまり良い条件で買収されなかったのです。良い条件で買収されていれば今頃はハワイと東京にも家を持つことができていたはず。。

お金があまりないスタートアップでは身元照会などはあまり厳密に行わないことが多いです。しかしながら法律的に就労できることは必要最低限チェックされます。やはり初日に法的に働けることを証明する書類の持参は必要です。 ドラッグテストや卒業証明書を出した経験はありませんが”ない”と言い切ることはできないです。

そうそう、大会社でもスタートアップでもオファーは大体3~5ビジネスデー有効。その間にアクセプトするかどうかの意思表示をする必要があります。またオファー内容は交渉できます。交渉したからと言ってオファーを取り下てくることはありません。私の友人が以前オファーは交渉の始まりと言っておりました。面接終わるまで相手は品定めをしている。品物を吟味して”これくらいでどうだ?”と買値価格を提示してきたから売り手側(自分)は自分の思う売値を伝えるのは義務であるというのですね。もうほしいとなっている買い手は売り手の金額を聞いてすぐにあきらめることはないのだそうです。 

8.入社したら

入社する前に、今現在どこかの会社で働いている場合、退職はきれいにしましょう。きれいな退職はとても大切です。きれいというのは

ー上司との関係は、もし仮に何かあったなら修復できるのであればしておくこと。上司のみならず同僚もですが。

ー就業で使ったノート類はすべて置いておく。一つ残らず。持ち出しをしない。どんなファイルであれ仕事関連のファイルはコピーしない。きれいに全部残していきます。

ー401Kなどをしている場合連絡先などをきちっと把握する。自分のお金です。自分のベネフィットで持ち出せるものがあるはずなのでそれらの連絡先や必要な書類(会社人事のサインが必要なこともあります)も確認を怠らない。後々困ることになります。退職していった元従業員になると中々HRも手伝ってくれないですよ。

奇麗な形で退社しておく理由はいつ何時またその会社に戻ることになるかもしれないからです。転職で再び戻ることもあれば、ベンチャーに就職したらその会社を元の会社が買収といったこともありえます。良い関係を残して退社しておく理由はこの辺りにもありますが競合相手に転職する場合、できる限り”クリーン”でないと最悪の場合就こうとしていたプロジェクトに一定期間就けない事態にも発展することがあります(元の会社が訴え出るケース)。絶対に何も持ち込まない、新しい会社で元の会社について聞かれても公になっていること以外一切答えない。よく似た設計に就く場合、同じ設計はしない。

さて、私はいわゆる新人(大学卒初めて)の経験がないので卒業したての場合については良くわかりませんが私が今働く会社では

ー入社日にオリエンテーションがある。2日間ありました。規模が大きいのでその週は400人も入社しましたのでオリエンテーションは一種お祭り騒ぎでした。

ーソフトウエアエンジニアはそのままBoot Campに入ります。いわゆる”配属”はされません。私自身ソフトウエアエンジニアではないのでBoot Campがどんなものか知りませんが聞くところによると数々のコーディングをしながら適正を検討され配属が決まっていくとか。配属が決まらないこともあるとかないとか。。。決まらなかったら?わかりません。 これは経験のある、なしに関わらず皆Boot Campに参加するそうです。私はハードウエアのエンジニアなのでオリエンテーションが終わると直属の上司が出迎えそのままオフィスに行きます。

これらイベントの前にビザ等の確認作業です。法律的に就労できることが絶対条件ですからね。

さて配属されたら? 基本的に入ったその日からパフォーマンス評価が始まる、いやプロジェクトなどへの貢献が期待される と思っておくと良いです。過去の経験を上げると、

ー入社日に設計レビューがありバッジを受け取った後自分のデスクに行く前にその設計レビューに参加。面接で会ったエンジニアもおりましたが全く初めてのエンジニアも多数。一緒に設計をレビュー。それが終わってからデスクへ。

ーマネージャとして入社した会社では入社日に早速ボスとミーティング。今後のスケジュールの確認とそれに合わせた工程スケジュールを次の日までに求められる。

以上は極端な例かもしれないですが従業員のマインドセットは入社日から即働く、ボスもそれを期待しているわけです。プロジェクトをこなしながら会社のことを知っていく(例えばWEBSITEなど)ので最初の2週間はとても忙しいのが普通です。慣れるまでは戦力外というのが普通の日本と入った日から戦力と考え方は大きく異なります。日本での就労経験がある場合この違いに戸惑うかもしれませんが高い給料をもらっているのだということを認識しておくことはシリコンバレーで働くにあたって重要です。自分にあてがわれた仕事は他には誰も従事していないですから結果は一目瞭然なのです。入社日からチーム、会社いやひいては自分自身への貢献が始まるのだとしっかり理解しておきます。

ところで名前は触れませんが会社によっては年次パフォーマンスレビューで従業員のランク付けを行い、最下位5%が2年続くと解雇するというところもあります。つまり最下位5%を切って新たに雇いなおすことを繰り返すわけです。その評価は入社日より始まります。この制度、マネージャにとってはものすごく大変な作業なのです。場合によっては数週間もかかるそうです。5%という数字を大きいとみるか小さいとみるかは考え方次第ですが。新卒から適応されますよ。基本見習い、様子見の期間は無いと思い入社日から自分への貢献を始めてください。ベンチャー企業の場合、もっと手早いです。いつの間にやらいなくなっていることがありますよ。どんどん自分からやっていける人でなければベンチャーでエンジニアをするのは難しいと思います。

8 求められるエンジニア

二つのタイプでしょうね。

ーとんでもなくできる。ある種のことに関してとりあえず知識、経験そしてスキルがある。当たり前か。

ーアジャイルなエンジニア。 いわゆる”使える”エンジニアとでも言いますか、トップクラスのエンジニアじゃないんだけれど、使いやすい。

私は典型的なアジャイル。元上司がそのように言っておりました。

トップクラスのエンジニアはその技術が有用である限り会社はより優遇するようです。以前働いていた会社でたまたま知った例で私より2倍は多い給与をもらっているエンジニアがいました。それだけの価値があると思いますがその時分マーケティングに在籍していた私は彼を顧客ミーティングに連れて行かなかった。アジャイルじゃないので臨機応変にできないわけです。こういった人材はうまく使えるマネージャが不可欠です。自分がトップクラスの技量があると分かっているかた、上司が重要ですよ。会社を選ぶ際、面接の際、自身の技量はもう優れているわけですから技術面接など心配する必要はないです。面接では直属になる上司についてじっくりと観察することが必要です。こういった技術のスーパースターにとって上司ほど重要な要素はないです。上司次第というのは出来ないエンジニアではなくできるエンジニアにとってこそ重要です。面接で上司になる人とは時間をかけて理解すると良いです。往々にしてプロジェクト、テクノロジー、オファーに目が向かいますが出来るエンジニアが一番見なくてはいけないのは上司です。

入社形態

派遣と正社員、今日本は派遣社員が多くなっていると聞きます。さてここでどんな形態があるのかまとめてみましょう。

ー正社員。 いわゆる Employee。

ー契約社員。 Contractor, Contingency Workerなどという。

ーインターン。 基本的に学生。普通はPh.D (博士課程)在籍か時として修士課程在籍中。基本博士課程優先。

ーCOOP。 学生。大学2年、3年生くらいで会社と学校(学部)がCOOP契約をしている。

以上がエンジニアの職で見られる形態でしょう。 Employeeは会社の正規社員。健康保険等、会社がオファーするベネフィットを受けることができます。 契約社員は日本で言う”派遣”とはことなりある期間を区切って契約した社員です。その人がエージェントを使っていることもありますが、契約はその人とかいしゃの間で結びます。契約社員との契約は期間、仕事内容、誰にレポートするかとコントラクトで決めた時給です。契約は基本的に時給契約です。会社のベネフィットを受けることができないのと会社のすべての資料やイベントにアクセスることはできません。契約社員実はとても多いです。Googleの正規社員数は12万人程度だと聞いていますが契約社員は8万人くらいもいるそうですから実質社員数は20万人くらいにもなりんだそうです。スペシャリストと呼ばれるひとにも契約社員は多くいます。ある種の技能を売っているのですね。経験あるスペシャリストの時給は高く100ドルから200ドル程度にまでなることがあります。同程度の正規社員と比較すると20~50%程度多くなるのです。ストックというより現金が欲しい人にとっては契約社員は魅力があることもあります。200ドルの時給で週40時間とすると週当たり8000ドル(90万円程度)ですからね。45週間働くとして年収4000万円程度ですね。通常1年契約で一度だけ契約更新できるのが普通。 契約社員も履歴書選択、電話面接、本面接を経るのですが本面接は2人程度と面接自体は軽くなります。そこで最初契約として入りその後正規社員になるパターンもあるのですが、有利だとはいえ、正規社員になれるという保証はありません。正規社員になる場合、やはり面接を通過することになります。面接は一緒に働いた人は関与しないので面接の結果落ちることもあり得ます。契約社員の求人はWEBサイトなどには出ていません。契約社員から始めるというのであれば仕事を見つけることから始まりますがエージェントを通す(この場合エージェントにFeeを払うのはあなた)もしくは友人、知人の紹介です。私は常に2人ほど契約社員枠をもっていますよ。どんなスペシャリストを探しているか興味あれば連絡ください。

インターンは通常夏季で3か月程度。履歴書選考は大体前年のQ4に始まり面接はその年の2月ごろまで続きます。オファーは遅くとも3月初めまでには確定します。インターンにはある小さなプロジェクトを任せることが多く内容はどちらかというとリサーチが多いのです。優れたインターンの場合次年度に戻ってくるケースもあります。その場合面接などは不要でオファーは確定します。もちろんそういった評価を最終的に得ていることが条件です。そのようなインターンは卒業後正社員として登用されるチャンスが高くなります。ベンチャー企業に勤めていたおりは面接のすべて省略して即オファーを出しましたが今の会社の場合、やはりフル面接を受ける必要はあります。履歴書選考や電話面接は省略されます。

COOPと言うのは学生が会社で働くことで単位を修得できる制度です。今でも扱っている会社はあるのかな~と思うのですが私はボストンにいたころそんな学生を常時2人は見ていました。2年生程度だと基礎知識はほとんど持っていません。作図などの作業をさせながら教えていくのです。いわばOJT(On Job Training)ですね。エンジニアの負担が大きく嫌がる人も多かった。その結果でしょうか?私はそんな学生を見ること(あてがわれる)ことがとても多かった。大体6か月いると大学に戻りまた半年もすると戻ってきます。もちろんその6か月の間に良い評価をもらえたらという条件です。卒業時に別会社(地域の都合)に応募するけれどReferenceになってほしいと頼まれた例もあります。吸収力のある学生は半年も実務を手伝っていると色々と勉強になるようです。教える時間を作っておかねばならないので忙しい人には大変なのですが私は教えるのが丁寧だとCOOPの評判が良いとHRが言っておりました。おそらくおだてでしょう、その年は確か3人も2年生をあてがわれて大変でしたから。COOPを終えてインターンでまた戻ってくる学生もいました。インターンになるともう手伝いではなく小さなプロジェクトをするので全く違う立場です。

マーケティングに従事していたころにも契約社員をやとっていました。主にドキュメント(Tech Writer)とWeb Siteのデザインをしてもらっていました。つまりマーケティングなどでも契約社員は沢山働いています。

最後にセールスは通常二つの形態があり正社員(Employee)と契約(Rep)です。Repと言うのはその会社の製品も取り扱うということで他社の製品も扱っています。Repを選択するのはコストをかけないためですが他社の製品もあつかうのでよく見えなくなります。売れる製品を優先するからです。Repは通常コミッションのみですがコミッションは時として40%程度にまでなります。つまり売り上げの40%。 会社が大きくなっていくとその地域に正社員としてセールスを置く(海外であっても)ケースもあります。セールスはベースとコミッションが収入です。会社によってはボーナスやエクイティは提供しないこともあります。コミッションは其の年次のゴールを達成以上に関しては大きなインセンティブを置く会社もあります(150%掛けとかです)。またビジネスが不振になっていくと数々のインセンティブを与えてセールスにはっぱをかけるようなこともあります。セールスと長く働いているとよくわかります。インセンティブが入ると突然非常にアグレッシブになるセールスがいます。その間の売り上げは3掛け扱いするなどと言ったインセンティブがでると何が何でもその期間のうちにクローズ(契約締結)をしようと無理難題を言ってくるセールスが沢山いました。まるでニンジンを目の前にした馬のようですね。こんな場面で助けてあげるとセールスからの評判は一気に上がりますよ。何度も助けたので私はセールスの評判は良かった。。。でも、マーケティングはコミッションがないので何の得にもなりませんでしたが。

9.転職

BLOGに書きましたが転職を考える時がいずれやってきます。経験を積んで始めの10年には2度くらいは転職するかもしれない。BLOGに転職は触れたのでまた見てくださいね。

<ここでいったん止め>