在宅勤務と言語


COVID19が猛威をふるい世界中在宅勤務が普通にみられる昨今です。日本のニュースをブログやその他の媒体で見ても在宅勤務の話題をよく見かけます。 さてこの在宅勤務ですが仕事効率が上がったという記事やこれからは在宅勤務を通常勤務の形態にすることを検討するというような記事に出会うこともあります。 効率が上がった? 本当かな?と思います。上がったように錯覚しているだけなのでは?と思うこともあります。私や私の周り(現在の会社や以前の会社)での経験はほぼ効率が下がっています。 実際GOOGLE含めシリコンバレーの会社ではいかにして従業員をオフィスに早く戻せるかとあれこれ検討しているようです。 わたしもAAFGMの一角になる会社に現在勤めていますがある種のグループはすでにオフィスに戻る準備ができ早々にもオフィスに戻るようです。以前も書きましたが私自身の経験として、どんなにテクノロジーが発達しても人間は実際に交わらないとイノベーションは起こらないしセールス、マーケティングもうまく行きません。オンラインシショップの雄アマゾンが書店を次々とオープンしWhole Foodsというオーガニック食品等を多くそろえるスーパーマーケットを買収しかつ無人のスーパーを実験的にオープンしているのはどうしてでしょう?考えてみるとよいかと思います。 

仕事の効率が上がったとするなら、たぶんにそれはこれまであまりに無駄が多かったのでしょう、通勤時間も含めて。アメリカは通勤は楽だろうと良く言われるのですがシリコンバレーを取り上げても住宅事情からいまでは片道1時間以上の通勤はごく普通です。私はずいぶん以前に家を買ったので通勤はこれまでどの会社でも20分程度と非常に恵まれた地に居住しますがそういった地域は住宅の開発がもう終わっておりどんどん郊外へと住宅地域が広がっています。私の会社はそういった地域に住む従業員のために通勤バスを運行していますがバス内では仕事をする環境が整っています。悪い言い方をするなら通勤中も仕事をさせるのか?となるのですがそんなバスで通勤する同僚曰く、朝のメイルはバス内で全部処理が終わるからオフィスに着いたら朝ごはんを食べてすぐその日の仕事にかかれると。そうそう、バスの運行は午前早い時間からはじまるので会社に着くと朝食を食べるようです。私も時折食べましたがFreeにしてはとても充実しています。 あ、ちなみにCupertinoに本社のあるA社は食事はFreeではないですよ。 つまり私はその会社では働いていない。。。

経験上言えるのは効率が下がる一番の要因はVC (Video Conference)。 便利なようですが基本的に常に1対多のコミュニケーションになり皆が同時に参加できるということにはなりません。またどんなにパワーポイントやその他のツールが発達しても人間最後は紙と鉛筆(ホワイトボード)な生き物でアイデアなどをさささと書いてそれをもとにみなで検討するということがVCではまだまだ効率よくできない。少人数時として1対1でVCをしてそれから大人数に上げていくといったやり方を取ったこともありますが結局全然うまくいかずでした。

つまるところ人は会わなくてはいけないんだと再確認できた次第です。毎年何度も顧客先に出向いていたのも会うことで関係を深めるためでしたし、もう私には縁のないことですが若い人がデートするのもその理由 バーチャル(チャットなど)のカップルというのを聞いたことがありますが私にはまったくピンとこない。 

そんな中、だれが始めたか知りませんがこれまでのGlobal化に反動するように世界が内向きに内向きにと進んでいるように思います。現在のUSの政治リーダーは元々が不動産業とテレビのタレントだった人物で全く政治信条も何もなく、猜疑心強く、好き嫌いだけで国を動かそうとするのでどんどん内向きに進んでいる。もっともSアメリカ人は元々内向きなのです。いわゆる両海岸(カリフォルニアとニューヨークなど)は例外だといえるのです。移民が多いからなのと海があるからだと思いますがいわゆるアメリカ人は生涯を自分の生まれた地から半径100KM程度を全生活圏としてその範囲内で人生を終えると聞いたことがあります。 ラスベガスに行ったことがありますか? ラスベガスのホテルは世界中の観光地の模型になっているようなホテルが沢山あります。 ベニス、パリのエッフェル塔、エジプトのピラミッド、ローマなどなど。ラスベガスはそんなアメリカ人が多く休暇(一生で一度切りなことも多いです)で訪れるところでいわばそういったホテルに宿泊することでなんだか世界の観光地に行った気持ちになるんだそうです。ベネチアンというホテルではホテル内で本物のベニスにあるゴンドラに乗船することができます。実際のベニスとは全く違うのですが雰囲気は楽しめるのですね。 パスポートを持たずして海外に行った気持ちになるのでしょうか? しかも英語がどこでも通じますからね。

英語と書きましたがアメリカ人が行きたい海外となるとトップはすべて英語圏だったいう記事を読んだこともあります。カナダ、UKを筆頭にオーストラリア、ニュージーランド。。。 アメリカ人はあまり外国語が得意ではないのです, これはヨーロッパ諸国の人とアメリカ人を比較して非常に異なる点です。 とにかく英語が通じないとイライラするか不安になるようです。 COVID19で何かと話題になったクルーズ船,アメリカ人が好きな理由の一つがそんなイライラや不安と付き合わずに済むからだと聞いたことがあります。日本にはアメリカ人はたくさん来ていると思うでしょうがどの州から来ているのかまで統計をとると色々と新しいことがわかるかもしれません。

英語は確かに世界で一番広く通じる言語だとは思いますが人を知るには現地の言語を知ることも重要になってきます。 その中でもいまなら中国語がビジネスという点では一番重要になるでしょうか? 中国と台湾だけじゃないか、となるのですが中国はどんなにアメリカの政治家がもくろんでもいずれ経済力ではアメリカを凌駕します。人口と人々の働き度を見るからそれを止めることはできないでしょう。経済力は軍事力よりはるかに強大です。ミサイルは破壊はできても創造はできないですからね。経済力は創造を産み続けることができますから経済力はとても重要です。

何が言いたいかというと言語を学ぶのはとても大切だということです。 英語、中国語そしてできればスペイン語も。 ご存じかどうか日本語を知っているのだから実は中国語は取り組みやすいです。発音に癖がありますが単語がとても似ているし中国の漢字は日本とことなり一つの字に一つの音なのでいったん字の音を覚えると(これも日本語と似ている)ずいぶんと早く話すことができるようになります。読むことは漢字を知っているわけですからそれほど大変ではない。中国は簡素化をはかり少し厄介な字もありますが台湾は昔ながらの字を使っています。実際台湾発行の新聞、日本人なら60%くらい読めますよ。書くのも高校で習った漢文の文法(文法的には中国語は英語に近い)に倣って書くと大抵のことは通じます。最初はとっつきにくいように思えた中国語が日本人には意外と近い言葉なのに驚きましたから。 スペイン語はUS生活ではある程度必要になります。とくにカリフォルニアなどいわゆる中南米からの移民が多く住む地域では。実はスペイン語、発音的には日本人にはとても取りつきやすい言語ですよ。アルファベットをそのまま発音します。 英語はスペルと発音がずいぶんことなりやっかいなのですよ。 英語を知ると似たような単語が沢山スペイン語にもありますから覚えも早い。そんなこんなで言語を増やしていけるのですよ。言語って全く違う言葉もありますが似ている言葉もたくさんあるので一つ知ったらそれを足掛かりに少しずつ増やせるんです。しかもどんなに年齢がいっても新しい言葉を学ぶことはできますよ。私は中国語は55歳を過ぎて始めましたよ。 (もう還暦が足元にまで来ている)。

仕事となると当面の間英語がもっとも重要なままでしょう。わけても読む力と書く力をつけることが大事で非常に極端にいうと英会話は仕事ではそんなに重要ではないです、日本に居住するなら。 日本では読めると勘違いしている人が多いと思いますよ。ドキュメントを読むのに一か月もかかっていたり翻訳をしながら読んでいるのでは仕事にはなりません。書くこともできる、自分は話すことと聞くことができないとは未だに聞く話ですが、書くことが一番難しいんですよ。大人が幼児や小学生程度のことを書いても書けるとは言いません。使う単語一つとっても話すときに使う単語(インフォーマルなことが多い)と書くとき(フォーマルな場合が多い)ではずいぶん異なります。これはアメリカ人にとっても同じことで日本人に限った話ではないです。USの大学でエッセイ(英語)のクラスを取るとこのことがよくわかります。とにかくビジネスでは書くことが一番難しいです。仕事で実際に話す,聞くという機会は日本にいればそんなに多くないと思いますがグローバル化が進んでいる現在、英語を読む、書く機会は増えていると思います。 書籍にしても日本はできるかぎり早く翻訳が出版される国ですが原本(英語が多い)のほうが圧倒的に早く出版されているわけですから原本を読めばそれだけ先を行くことができます。 ざんねんながら自動翻訳はまだまだ幼児レベルで実際の使用に耐えうるものではありません。

人と接する仕事をする、海外に行くという目的、予定が無いのであれば私は英会話に時間とお金をかけるより読み書きにその時間とお金をかけるほうがきっと仕事で役立つと思います。もっとも人と接する、海外を視野に入れるのであれば時間やお金のかけ方は変わると思いますよ。

相変わらず堅い話でした。 

表題の写真はNYCにあるアマゾンの書店。 こちらサンノゼにもありますよ。アマゾンで買ったものを返すこともできます。

下の写真はテルアビブの海岸。警告がいろんな言語で記述されていますね。

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テルアビブの海岸