先のブログで中国での経験を書きました。別段礼賛しているわけでもなくバイアスをかけているわけでもなく単に個人的な経験として日本での顧客ミーティングと中国でのミーティングの違いを書いただけですが、YTUBEを見るまでもなく日米(そしてUKもかな)中国嫌い、中国恐怖の大合唱な様相であります。
確かに中国は目覚ましい勢いです。すでにGDPで日本のほぼ4倍、いずれアメリカも追い抜かれるでしょう。これはもう仕方ないこと。人口比が違いすぎている。19世紀に大英帝国が栄えたのは奇跡にちかいそうです(人口的にみて)。アメリカはそれなりに人口がありいったん経済力をつけたとたん、あっという間に大英帝国を追い抜いてしまった。大英帝国は実は20世紀になるころにはUSAに追随していたわけで(そのおかげで帝国をかろうじて維持できていたのですよ)。今それが中国、そして遠からずインドでも見られる光景となるはずです。実際GDPでインドはもうUKに肉薄しています。記憶が正しければ現在はUSA,中国、日本、ドイツ、UK, インドの順番。ちなみにカリフォルニアはドイツの次に入ります。一つの州ですが世界のトップ5に入るだけの経済規模なのですね。
GDPが大きな国は巨大なマーケットになっていく。これは歴史的に見ても史実といえるでしょう。日本がジャパンアズナンバーワンと言われていた80年代を振り返ればわかります。高級品の輸入が急激に増え、ぜいたく消費、海外旅行が大ブームになったのも80年代に入ってからです。海外にでても日本人がどんどん消費してくれる。今では考えられないかもしれませんがパリなどのブティックでは買い物制限(一人XX個まで)なども出たくらいですよ(日本人旅行者が全部買い取ってしまっていた)。
時が過ぎて今そのベクトルが中国になっている。よく日本人は海外で好かれていると聞いたりしますが本当でしょうか? 観光地ではみんなお金の方が好きですよ。今はお金をもっと使うのは中国系の観光客です。ロンドンに行けばわかります。ロンドンでなくても銀座でもわかりますよ。それを”お金があるからって。。。”と言ったビデオを見たりします。同じことを80年代、90年代始め日本人もしていたんだというのを知らないからなのだろうなと思いますが身近(東京などで)そういった光景をみるとあのようなビデオのコメントになるのでしょうか? 50年、60年代はアメリカ人がそうだったわけだし(買い物など)。人は裕福になるとまずは買い物をするようになります。それで経済が回るのです。
中国は技術を盗む、ともよく聞きますが50年代、60年代の日本も同じだったですよ。トランジスタを持ち込むのに日本政府はアメリカ資本100%の子会社を作らせなかった。そこで今のSONYの前身になる会社が合資で会社を作った。また契約上開けてはならないブラックボックスを日本企業のエンジニアが開けて中をみたといういまでは’武勇伝”にまでなっているような話もゴロゴロしています。若い世代はこういったことは知らないでしょうね。国が大きくなっていく過程ではこんなことはどこの世界でもあるんです。中国だけがそんなことをしているわけじゃあないというのは知っておいたほうがよいと思います。
80年代を通してジャパンアズナンバーワンだった日本が怖くなった欧米諸国が一斉にいわゆるジャパンバッシングを始めた。ご存じかな? 今盛んに中国にそれをやっているようにも見えますが政治のことは未知、特に今は政治と経済が過去と比較にならないくらい複雑の絡み合っている。
しかし国の強さは軍事力ではなく経済力です。大英帝国は軍事力ではUSAの上でしたが経済力がなくWWIのころにはすでにアメリカより国力はなかった。
こういったことを伝えた非常に良い本があります。アマゾンで見るとまだ日本語訳がないようですが世界の歴史を違った角度から鋭くとらえていると思います。英語でしかもページ数がかなりありますが非常におすすめです。読んで時間の無駄になることはないと思います。 リンクを張っておきます。
日本語訳が出たらぜひ手に取ってみてください。