中国でのミーティングと日本でのミーティング



ブログをはじめようとしたきっかけは日本の外にいるもう還暦に足が届いている現役のエンジニアとして何かを伝えたいからというのが動機です。もっと詳しくはおいおい書きたいと思いますが、最初のブログから固い話になります。昭和世代で遊んでこなかったまじめなエンジニアの話に興味あれば読んでください。

出張多き人生ですが昨年秋に開発エンジニアに戻るまでの10年をマーケティングに所属するR&Dエンジニアとして顧客回りを主業務としてきました。最後の数年は中国に行くことが一番多かった。最近日本のYTUBEやブログを見ると明らかに中国バッシングのような記事、ビデオに出会いとても心配です。あのような態度、考えは国を豊かにすることはできない。国豊にならずして人豊になるわけがない。昭和世代はそう思う。もっとも私は昭和世代のまま(平成時代を知らない)で私のような昭和世代はあまりもう日本には残っていないのかもしれないが。

出張で日本に行くと、顧客訪問では まず受付で登録してお客様が会議室に通されミーティングが始まる。よくあるのが当初予定されていた出席者の幾人かが仕事が忙しくて出席できなくなったということで最悪は一人だけになったり。一通りのことが終わるころには予定の時間になってしまいそこで終わり。大きい会社ともなると受付の方(たいていの場合女性)がドアを開けて時間が過ぎたことを伝えられる。そこでごそごそと帰り支度を。。。 会議室からでても別段だれも次の会議者が待っている様子もなく、また会議に出席されていた方々も別段急いでいる様子はなし。シャンシャンとおわりその日の予定は滞りなく進む。。。

かたや中国。 受付がある場合もありますが小さな会社も多くその場合そのまま会議室へ。基本英語でのミーティングになりますが中国人の同僚がフォローする、私自身中国語を勉強しているので中国語での質問も少しはわかるのでその場合英語で答えますが通訳はなし(これ実は喜ばれる)。ここで日本との違いが出てきます。 まず、こちらの話がためになると思うとWeChatを使って同僚をどんどん呼び込み始めます。実際、こちらは売りに行ってますから製品だけじゃなく周辺技術や技術動向、最近でた学会などのことも話の中に入れています。 そうこうするうちに予定の時間になりますが大抵お客サイドがもっと延長して話がしたいと言ってくる。私の中国人同僚がその日の予定をみて、いきなり電話をしてそのあとの予定時間の都合をつけ、結果ミーティングが延長される。。。結果、お客サイドはかなり上(日本の役職で言って部長とかそれ以上)を連れてきてくれるんです。こちらの好意にはその場で返してくれるわけです。気に入ったから評価したいとかその場でその上司に言ってくれるので早い。もうこれ以上いると次のミーティングに間に合わなくなる寸前までいるのですが別れ際に決まってすることがWeChatのグループ作りです。作ったが最後、次のミーティングに行くタクシーのなかではもうそのWeChatによるQ&Aが始まる。もっと驚くのがお客を紹介してくれるのです。それもこちらにするのではなく紹介したいお客に直接電話(WeChat)してくれるのであちらから連絡がくるわけです。自分のところにもよってくれというリクエストですね。”話が面白い。 ためになる”と言うのはとても大事でそれに対する彼らの好意は素晴らしいものがあります。

たった一つの問題はというと、こういったことが当然のようになるのでいつ食べることができるか全くわからないことです。したがってとにかく朝ごはん(大抵ホテルでのバフェ)をきちっと食べておくことパン、果物、水をカバンに入れておくことを忘れないようにしていました。中国は大国ですからその日杭州でミーティングをして次の日には北京という場合普通夜の便で北京に行きますが、こんな場合最悪北京のホテルに到着(大体夜中11時過ぎ)まで朝から何も食べれないということにもなりえます。中国人の同僚たちはそれでも平気なのには驚くばかりです。私は空腹がひどくなると頭痛が襲ってくることがあり大変な状態になりますが、同僚もそのことは知っており、彼らはホテルに到着するまえに私に夕食の手配をしておいてくれるのでどんなに遅くとも夕食を食べていました。

これほどまでに日本と中国違いますが私は仕事では中国に行くことがすきでした。とにかく”来てくれて何かためになる情報、技術を話してくれて感謝する”と言ってくれるからです。そしてそれにたいしてできる限りの好意で彼らも返してくれる。お客を紹介ししかもそのコンタクトまで取ってくれるわけですがこれは小さな会社にとどまらず大きな会社でも一緒。それだけに中国に出張するまでにはこちらも十分に情報を仕入れていこうという気持ちになります。商談に結び付きますからね。

台湾も似ていますが台湾の人はそれに加え親切。ミーティングが長引いたときなど、休み時間にカフェなどに行って飲み物を買ってきてくれる。それも得てして自分たち(そのミーティングで一番偉い人)のポケットマネー。お茶を出してくれることもあり会社の経費では落とせないんだと台湾にいた同僚が言ってました。こういった好意をしてくれた時はもうほぼ間違いなく商談にまでこぎつけましたがこちらもやはり出張までにはずいぶん頑張りました。

習慣の違い、国民性の違いと言ってしまえばそれまでなのかもしれませんが”学べるときに学ぼう”というのは私のような昭和世代は普通なことだったなあと、気質が変わったのかな。でもこういったことを見ていても昨今の中国、台湾の躍進と日本の停滞を思わずにはおれないのです。

写真は中国は成都の旧市街地で。 ここは日本では三国志とパンダセンターで知られのですが上海などとくらべ物価は安く最近は若いエンジニアのリターンもありテクノロジーの会社も林立しています。とても良い街で食事もおいしい。 辛いですがね。四川料理の本場ですから。

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