チューリッヒ (スイス)


出張で出かけた都市、国がタイトルになっているケースが多いです。この10年くらいの間に色々と出かけているので今後も当面そんなタイトルの記述が続くと思います。若い世代の海外旅行が少なくなったと聞きました。内向きになってきているのかな~と思うのですが是非外を見に行ってくださいね。そんな意味も込めて今後も私が仕事で行った地がタイトルになると思います。 私の初海外はボストンへの赴任でした。で、それっきりアメリカ(USA)にいるのですよ。な~んにも知らないままあの当時直行便すらない最果ての地ボストンまで良く行ったものだと今でも思います。しかも誰一人日本人のいない職場に配属されたのですが今思うと若かったからできたのだなと思いますよ。あれこそ若さの特権というものでしょうか?若いうちだからこそ出来ることは多いです。その期間はみなに与えられていますが一度きり。十分に活用してください。

さてスイスはチューリッヒ。スイスというと金融と私が趣味としている時計産業の国という印象を受けますが製薬産業やネスレに代表されるように食品関連の会社も多くあります。人口少なく基幹産業があるので国は豊かです。国が豊かにあるためには基幹産業は重要な要素だと思います。日本は昭和時代基幹産業を興しそれで豊かになった。今はその基幹産業の土台がデータ革命(シリコン、ソフトウエア、データ)に乗り遅れかけており揺らぎ始めている。まだ昭和を通じて作り上げた基幹産業が何とか生き延びていますが(自動車産業がその雄)昨今のEV,自動化運転技術では後塵をはいておりそろそろ本当に危うくなり始めています。基幹産業といえども絶え間ない進歩そして新たな基幹産業を興すのに残された時間は少なくなっています。また堅い話になってしまいました。

私のようなハイテク(シリコンとソフトウエア)人間とスイスに接点はあるのだろうか?となるかと思いますが実はチューリッヒはスイスではハイテクの地だといえますよ。もちろん銀行業がメインですが。IBMはIBMここに大きな研究所を持っています。その昔(かなり昔)その研究所に入りたかった時があります。単にスイスにあこがれていたんです。そのためにはまず少なくとも博士でなくてはならない。。。 町にはとても良い大学があるのです。そこの博士課程を経 IBMへ、なんて考えたことがあります。が実現しなかった、いや実行しなかった。ちょうどそのころボストンからカリフォルニアに転部できるチャンスがありスイスではなくカリフォルニアを取ったというわけです。 

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そんなスイスですが私は昨年末までの2年ほどをRISC-Vというオープンコアのプロジェクトに深くかかわっておりました。スイスのその大学はヨーロッパでは1,2を争うRISC-Vの研究が盛んな大学でそういったいきさつからその大学とコラボの可能性を検討するためにそこの研究室を訪問したのです。私がかかわったチェコの会社はEUの組織から研究開発のファンドを受けていたのでその流れからそんな話となったわけです。大学は丘の中腹にあり丘の上からの眺めは非常に素晴らしいです。カリフォルニアを取ったのは失敗だったかな?と思ったくらいです。人生とは毎日毎日何かを選択して生きているもの。小さな選択、大きな選択、人生にとって大切です。 Choose To Chooseですね。丘から眺めてもわかりますがチューリッヒはきれいな街です。ショッピングエリアにはもちろん時計店も多く大学訪問といっても2時間ほどのミーティングだけだったのでたっぷりあった自由時間を使って市内観光ツアー、郊外観光ツアーに参加したりショッピングアーケードをぐるぐる見て回ったりして過ごしました。 私の少ない滞在時間内での経験でいうと人々はとても親切で丁寧でしたよ。ホテルでもレストランでも時計ショップでも。こと時計ショップでは非常に応対が丁寧で日本の銀座界隈の時計専門店とそぐわない対応で驚きました。というわけで出張で初めて”おかね”を使ってしまいました。以前から欲しかった時計ですが中々入手できなかったのです。ここにも一本あるのみでレザーベルトでしたが帰国後アフターマーケットでステンレスのベルトを買って使っています。この店はスイスで一番古い時計店だそうです(後で知った)。閉店間際に入りましたが応対はとてもよく1時間ほども時間が過ぎたのですが焦らせることもなくゆっくりと話をしながら購入をしました。お土産もくれましたよ。こんどまたチューリッヒに行くチャンスがあれば再び訪れるでしょう。

大きな出費

SWISS MADEという言葉ご存じですか? 時計好きならよくご存じかもしれませんね。 MADE IN SWISSという意味ではないです。 もちろんスイス製なのですがスイスで作っただけでは基準を満たせず製品にかかった費用におけるスイス製の割合やその他もろもろ法律になっている基準を満たしてSWISS MADEとなるようなのです。

さてこの SWISS MADE, いわゆる高級時計(ロレックス、パテックフィリップなど)を手に取ると文字盤にその記述を見ることができます。 これだけで時計に箔がでるのですね。 ですからイタリアやフランスのブランドも時計はスイスで製造しSWISS MADEの基準を満たしてそれを誇らしげに文字盤やケースに記載しています。 時計だけか?と思ったら探してみると色々な物品に SWISS MADEという記述を見つけることができます。 やはりMADE IN SWISSの記述も見つけることができるのでSWISS MADEとは違った意味合いなのでしょう。 そこに価値を見出しているのですね。

さて振り返ってみて現在 MADE IN JAPANに付加価値があるでしょうか? 私が若かったころ、SONYというと海外でも知られたブランドになっておりSONY製は高いが品質がいい、デザインが良い、 COOL (かっこいい)と言われていました。実際ボストンに行った折もいくつかSONYの製品を持っていましたがSONYはかっこよかったかな。 いまはどうでしょう? 大体SONYのロゴがついた製品で日本製を探すのも難しくなっているのではないでしょうか?マレーシア、’中国、ベトナム製だったりする確率のほうがはるかに高いと思います。 MADE IN JAPANの意義が薄れてきているのではないでしょうか? ドイツは日本同様輸出大国ですが、ノート、ペンに至るまでGERMAN MADE、MADE IN GERMANYの表記をよく見かけます。実際私が愛用するノート、ポールペンはどちらもMADE IN GERMANY と誇らしげに表記してあり、実際品質はとても良いです。ノートブックはカナダで見つけたのですが以後ずっとその会社のノートブックを愛用し続けています。

スイスもドイツもブランドづくりにはげみ、その国家ブランド (国)を大切にしている。日本もそれをまねるのはどうでしょう? スイスのように JAPAN MADE と表記するための基準を作り品質の管理をする。良いものはそれだけで付加価値がある。その付加価値を上手にマーケティングしていくことが大切なのだと思います。大会社ならともかく、中小の企業が自分たちのブランドを浸透させるのは容易ではありません。 でも JAPANというブランドはあるんです。 物だけじゃなくサービスにも使えると思います。 JAPAN HOSPITALITY なんてどうですか? ブランド化するのです。 

これから日本がどんな産業、どんな製品、技術を基幹産業としていくのか色々と調べていますがまだ私のなかではっきりとは見えないのですがJAPANをブランド化することは重要じゃないかなと思う次第です。

東京はロンドン、ニューヨーク、パリと並び称させるくらい知名度の高い都市です。 ロンドンに行くとわかると思うのですが、店でよく LONDONと記載された物を見つけることができます。 LONDONをブランド化しているのです。 TOKYOだって十分できますよ。 こういった場合できるだけ誇らしげに見えるところにTOKYOと記載するんです。 時計文字盤に誇らしげに SWISS MADEと書いてあるように。 ドイツのノートブックですが見出しページを開けたところにMADE IN GERMANY とありノートを開ける度にその表記が目に入ります。ブランドづくりってそんなことにまで気を遣うのですね。 TOKYO 響き良いですね。 誇らしげに書いてあるとブランドになります。ブランドって誇り以外の何物でもないですからね。

チューリッヒの市街を取った写真を幾つか。 とてもきれいな街でごみも落ちておりませんでした。

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