以前BLOGでも何度か取り上げている話題です。以前一芸について触れた時私が欲しい、いや一番価値があると思う一芸はセールスだと書きました。エンジニアを長くやっているとセールスなんて簡単なこと、技術、製品が良ければ売れる、売れるのは製品、技術、サービスが良いからだと思いがちになります。
この傾向は特に技術者が創立したスタートアップ企業に多いです。それまでずっと技術を扱ってきた人(たとえそれがエンジニアリングのVPでも)が会社を創立してトップに立ち、その人にそんな考えが強いと実は中々会社うまくいきません。技術が優れているのに成功しない会社も多いでしょう?会社が小さいうちに製品というより技術者を売ってしまうことが目的なこともあります。つまり吸収合併されることが目的。そんな場合でも技術者が先頭に立つと合併時の条件があまり良くなかったりします。
エンジニアとしてセールスに携わることもあるでしょう。同行して顧客ミーティングにも出たりする。それで”お客は製品を気にっている”、あとは簡単だ、自分が全部してやったからセールスは注文の見積もりを送るだけですぐ取れますよ、などと報告したり言ったりするエンジニアも沢山おりました。難しいんですよ、事実は。どこが? 契約締結がです。卑近な例で考えてみましょう
そうだな、テニスクラブに属しているとします。そこに自分が気に入った女性、きれいで気立て良くかつ誰にでも優しい人でお付き合いをしたいとします。グループで行動することもありますが友人として時折は夕食を誘ってもOKしてくれる。なんだか脈がありそうだ。
でも良くわからない。告白する?ダメだったら気まずくなりますね。そのテニスクラブに残れるかな?友人としてだったら夕食ぐらいなら時々行けてその時間が楽しいけど、ダメだったらもう誘えないな~ とか色々考えるでしょう?
沢山のセールスと一緒に仕事をしましたが、もう堪忍してくれと言うくらいズルズルする人ももいます。お客は永遠に商品の評価、会社の評価をしているんです。もうセールス、ここまで来たら”告白”、つまり契約締結に向けて動いてくれ。。。と思う。 そうかと思うと、”ええ、もう?”と言うようなセールスもいます。そうだな、初めての二人きりの夕食でいきなり切り出すような。。。
しかも女性に告白するのと同様に契約締結はセールスが一人になるときなのです。それまでは一緒にミーティングに行くことがあってもあるときそのリクエストがなくなります。セールスの上(上層部)を連れて行くこともありますがそれはもう”決まり”かけた時です。また卑近な例で言えば、結婚を告白し色々とある中で両親にもあってもらうでしょう?それと似ているかな。でもそれまでは一人です。告白するのに誰か一緒に来てもらいますか? あまりないと思いますよ。 よし、今日は告白しようなんて意気込んでOKをもらった夕食、でもだんだんその時が来ると怖くなったりするでしょう?セールスもそれまでの経緯はあり、見積もりなども見せてはいるけど相手の合意を得て締結に結び付けるにはなれないうちは正直怖くなるはずですよ。仲良くしているから大丈夫と思っていても友達は他にもいるはずだし、その友達とも夕食ぐらい一緒にしていると考えるのが普通です。自分会社と競合する会社ともきっと懇意にはしているはずですよ。
ですが人生はセールス。セールスを身に着けるときっとあなたの人生を豊かにします。学歴、資格で自分を防御するよりセールスの経験を積んで経験で自分を豊かにする方が大きくなれるはずです。セールスは外に出て行かなくは身に付きません。なにも物を売れとはそういうことを言っているのではありません。究極のセールスはあなたを売ることなのです。仕事、ビジネス、個人の生活、すべての場面で人は自分を売っているわけです。
みかたを作っておくと良いですよ。みかたはいつも友達とは限りません。”競合”も時としてみかたになります。人生長いとこんな場面にも出会います。例えば競合はまさしく自分たちの製品とガチでぶつかり合う会社。でも顧客には別な考えもあり、例えば自分たちで作らないでどこかからできた製品を買ってくるという案が出てきたとします。そんな案が優勢になればこれまでやってきたことが全部台無しになる。どうします?まずそんな案をつぶさないといけない? 考えなくてはいけないですね。そんな案が顧客社内であることをこそっと教えてくれるみかたと一緒になってそのアイデアをひっくり返してくれるみかたが必要になるかもしれない。
こんなところまでいかなくても人生 セールスだと覚えておくと役立ちますよ。