日本はセキュリティーが緩い国ですよ。アメリカも実生活では甘いほうかもしれないです、それに甘くなってきていると思います。ご存じのように銃の国で、しかも州によってはほとんどの場所に銃を携帯することができますからね。カリフォルニアはまだ厳しいほうですが共和党の牙城ともいえるいわゆる”アメリカ”は銃だらけとも言えます。私はそんなところにはいかないので実生活で銃とかかわりあったことはこの30+年の間ありませんが。
日本ほどでないにしてもアメリカ、セキュリティー甘いと言えるかな。一番の例が出国時です。どの国、たとえそれがEU諸国であっても出国の際には国の係官がパスポートをチェックするのですがアメリカはそれがない。もちろん搭乗ゲートに入るのに身元チェック(IDと搭乗券の名前がマッチするかのチェック)は係官がしますがいわゆるパスポートチェックは入国時だけです。”出ていくやつをチェックして何になるんだ?”と言う発想なのでしょうか、おそらくは。EUはいったんEU圏に入るとそれ以降どの国に行ってもパスポートチェックはないですがEU圏を離れる際にパスポートチェックはあります(出国のスタンプをもらう)。 日本も出入国どちらもチェックしますね。中国は入国も大変ですね。まず到着したらセルフキオスクでパスポートと指紋の登録をします(外国人だけ)。年に何度も行きましたから同じ年に2度目だった場合パスポートを読み取ったとたん指紋はしなくてよいと表示がでたので、”ああ、以前やってきたことはもう知ってるんだ”と思いました。セルフを通ってそれから係官のチェックになりますが、もう一度指紋を押収され写真もとります。2度するんですね。スーツケースを受け取って待ち合わせの場所に出ていくわけですが持ち物はXrayチェックされますよ。海外のスーツケース検査なんか信じるものか~ってなところでしょうね。国内線の場合ここまでしないからやはり疑っているのでしょうかね?と大変です。
いったん国に入ってもチェックだらけなのは私の知る限り中国だけです。 イスラエルのセキュリティーは厳しいと聞いていましたが私の経験だけでいうと、大きなショッピング施設などに入る際にカバンをチェックされましたが(爆弾が入っていないかとなね)それくらいなところでした。中国はカバンチェックは駅という駅、空港(空港ビルに入るにも)などで必ずされます。北京ではあるエリア、例えば故宮のあるエリアに入るにもカバンをチェックしますから以前も書きましたが私は仕事を離れたら手ぶらを決めていました。なにも持たない、女性には難しいですね。
北京は都市に入るのも大変です。一度電車(中国版新幹線)で北京に入りましたが北京行の電車の場合、新幹線の駅は入場するのにカバンとIDチェックをまず受けますが(外国人の場合パスポートです。スキャンしてすぐに照会するのでセキュリティーは形だけではないです)、乗車口に入る前に再度パスポートとカバンをチェックされました(プラットフォームに入る前)。もちろん長距離電車になりますから乗車券を受け取るにもIDが必要です。誰が乗車しているかは全部知られております。チケットには名前が書いてあります。アップグレードしたチケットは外国人(私)には手ごろな値段になるのでいつもアップグレードしましたが一度だけ車内でチケットとIDの照合をされた経験もあります。北京について今度は駅から出る前に再度カバンチェック(スーツケース)。何度チェックするねん? なのですがチェックだらけですよ。パスポートも常にチェックされます。カバンは持たなくともパスポートは必ずもっていました、これなしでは怖い。ヨーロッパなどではパスポートをホテルに預けたりしました(アメリカの運転免許証をID替わりに財布に入れていた)。が中国ではそんなことをするときっと大変なことになるだろうと、あのセキュリティー体制をみると思いますよ。そうそう中国はホテルに泊まるとパスポートチェックだけでなく写真も撮りますよ。本当、チェックだらけですね。もう慣れましたが好きではないです。
ここまでなら旅ブログでもおそらく紹介が色々とあってあらかたご存じでしょう。旅ブログはもっと詳しいと思いますよ。だからわたしがこのブログで書くのは一般企業のセキュリティーです。
韓国、中国の大きな会社、例を挙げてしまうと Huawei, Samsung, SK-Hynix,などを仕事で訪れたことがある方もいると思いますので以下は”知ってるよ”となるかも知れないですね。これらの会社では
ー ラップトップコンピュータの持ち入れはできないか、あらかじめ登録する必要があることが多い。
ー 持ち込めたとしてもすべての入力ポート(USBなど)やカメラ部位はシールを張られる(出るときにチェックされるのではがしたりしたら大変なことになります。最悪取り上げて返してくれません、ITが厳重にチェックを終えるまで)。 ラップトップのシリアルナンバーも控えられチェックされる。スワップなどできませんしたがって事前登録が必要なケースでこちらの都合で別のラップトップを持っていったら持ち込み許可はでません。あきらめ~。そうそう、メモリやSSDを交換できないようにシールを貼るしSSDドライブのシリアル番号も記録されますよ。とてつもなく厳重ですね。
ー携帯電話の持ち込みはゆるされないこともある。ゆるされる場合やはりカメラ部分などはシールをはります。持ち込んだ経験は一度もありません。
ーカバンはロッカーに入れます。カバンの持ち込みは不可。
ーノートとペンを持ち込むことは許可されない会社もあります。許可がある場合、帰り際にセキュリティーが調べます(何か隠していないか。。。)紙は持ち出せない会社が多いです、たとえ従業員であっても ダメ というところもあります。
ー車でやってきた場合基本的には外部にある訪問専用の場所に停めますが、沢山の機材を持っていく必要があるなどで内部に停める場合、トランクなどをチェックされます(出入りどちらも)。車の下も調べます。
ーパスポートチェックは当たり前。パスポートのコピーを撮られたケースもあります。事前に登録した訪問客のみを受け付けることもありますので人物照会も実に厳しくチェックされます。
などなど 枚挙にいとまがありません。もちろんX-rayチェックもありますよ。メタル類は空港と同じようにポケットから出します。カバンは従業員だけが持って入りますが従業員もこのセキュリティーを通るのは同じです。IDもバッジですが行いますが中国では今や顔認識が広まっています。見ているとあっという間に認識してゲートが開きました。
これらの中でもラップトップが一番困りました。というのは最近の新しい仕様のラップトップはUSB端子で電源、USBでDISPLAYにつなぐようになっているものが多いのです。そうなるとその端子、全部シールされているので電源はとれない、プロジェクタには繋げない、、、という事態になります。したがって古いラップトップに資料などを全部コピーして持っていきました。現地に同僚がいる場合現地でコピー。いない場合は出張のさいしてそんなラップトップの調達からはじまります。そのラップトップがたまたま稼働しない、なんてこともあり、その機種を事前登録してあった場合もうお手上げ。持ち込めないですから。臨機応変など全く期待できません。リストにない、の一点張りでだめ。仕方ないのでラップトップなしでミーティングをするといった情けない事態になったことが何度もありました。ちなみにセキュリティーは会社の社員でなく契約会社な場合もあり従業員に対してもとても厳しいです。容赦しない、ってところですね。
こんなことになるからでしょうか? 会社によってはミーティングだけできる場所、普通はいわゆるキャンパスの外にあるビルの1階部分)をもつところもありました。この場合多少セキュリティーはあまくなりラップトップにシールなどはされません。ミーティングに出てくる顧客サイドの人たちはみな手ぶらできます。ラップトップもノートも持ってきません。白板などもないので何も書くこともできないですから。まさしく持ち込んだラップトップだけ~という世界ですね。
こういった会社は従業員も細かくチェックしていますよ。まずラップトップは使っていないし、デスクにあるコンピュータにUSB端子もありません。 出入りに際してはXrayは通るし携帯電話持ち込めますがカメラ部分はシールが貼ってあります。大変ですね。 また、まことしやかに言われているのが従業員のタイプした内容はすべて記録されていてその従業員が退職する際ITがそれまでの膨大なタイプの記録を調べ上げるとか。。。本当かどうか知りませんよ。
ここまでするのはすべていわゆる産業スパイ対策と従業員による情報のリークを防ぐためですね。日本で唯一、といってもとても緩いですがこのようなセキュリティーを置かれている会社はというと以前産業スパイ(といっても実は内部犯行でしたが)に情報をリークされた企業だけでしょう(実名をあげるのは控えておきます)。それでも全然緩いです。かの地の企業のセキュリティーは甘くない。入るときも出るときもそれこそ徹底的にチェックしますからね。
はるか昔ボストンで働いていたころ、私のいた会社も時折抜き打ちで出口チェックをしていました。セキュリティーがカバンをチェックするのですが”メタル”をチェックしていたのです。価値あるものがあるので(例えば私がかかわっていた半導体チップ。一1000ドルくらい(ひとつ))。なんでもメタルはだめ。。。とか言ってましたね。 なんだ、盗人をさがしているのか? なのですが、実際それが目的だったようです。 チップって小さいですが高く売れますからね。
イスラエルについて書いたのですが仕事で行くような場合招待状をイスラエルにある会社(子会社)から送っておいてもらいました。同じものが関係官庁にも送られているそうです。入国に際してそれがあるか、ないかで時間が違います。私は大体5分もあれば係官を通過できましたが待っている間にみていると人によっては30分以上もかかるようなケースがありました。ちなみに国柄を考慮してなのでしょうね、パスポートにスタンプはしません。入国時のカードをくれます。イスラエルのスタンプがあるとアラブ諸国に入国できないからだとかどうとか聞きました。帰国時もその招待状が必要です。航空券を受けとる前に係官の質問を受けますが(どこにいた、何をしていた、などなど)、良く知られた会社の照会状を持っているとそれを確認する作業を済ませるとすんなりチケットカウンターにたどり着けました。聞いたところでは私の行動は全部もう知られているとかいないとか。。。 なんかスパイ映画のようですね。 驚いたことに私はペットボトルを搭乗口にまでもっていくことができました。バックグラウンドチェックで不審者か、信用できるかを厳密に判断しているからだ、とイスラエルにいる同僚は言っていましたがこれには驚きました。
と以上セキュリティーに関する経験でした。日本は安全な国です。 まあ、アメリカも甘いから同じように安全なのでしょう。アメリカは行くところさえ気を付ければ安全と言えます。安全だが、甘い。。。
最後に以上の例は基本的に大会社です。中国での訪問先、ほとんどがベンチャー企業でしたが今度は全くセキュリティーが無い。。。 貸しビルに入っていることが多いですからだれか入り口にいますがな~んにも言われません。いったん顧客のオフィスに入っても、まるで従業員のようなごとく、どこをウロウロしていても誰にも止められない。なんでも話しますしね。シリコンバレーのベンチャーと全く同じような感じです。このギャップはなんだ?と時々思いました。韓国はわかりません。ベンチャー企業というのが存在するのかな?と思うほどに財閥系の企業しかないですから。財閥系の企業はどこもセキュリティーが厳しい(わけでもR&Dに近い程厳しくなるようでした)。ベンチャー企業に行った経験はしたがって一度もないのです。
ところ違えば全然違う。 これなど自分で経験するしかよくわからないですね。ひどいことにはなっていないので、つまり係官にどこかに連れていかれたりSSDを押収されたりとか、ただチェックされるだけでもう慣れっこにはなっていますがうっかりするとミーティングに参加できないなんて事態にもなるのですから抜かりないようにしていました。それでもトラブルには何度も遭遇しましたよ。というお話でした。
写真は北京 天安門広場。 セキュリティーを通過しないと一帯にははいれません。